【金口木舌・11.14】:住民は守られない
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・11.14】:住民は守られない
民間人が戦闘に巻き込まれ犠牲になるのは不運だったと言えるのか。いや、そうではない。民間人の被害は意図してなされるのが戦争の実相という
▼県出身で元戦場カメラマンの石川文洋さんが講演で語っていた。「戦闘に巻き込まれて民間人が犠牲になるのではない。民間人を狙っているんです。戦争というのはそういうものです」
▼ベトナム戦争をはじめ数々の戦場取材を踏まえた言葉に合点がいく。ウクライナやパレスチナ自治区ガザでも民間施設が標的となった。ガザでは学校などが攻撃され、子どもにも被害が及ぶ
▼軍事上の冷徹な考察がある。民間人への攻撃で戦局を好転させるとの考え方だ。大量の犠牲で市民らの抵抗の意思や戦意を喪失させるのが狙いという。住民は守る対象ではないのだ。石川さんも辺野古の新基地などを挙げ「いくら兵力を拡大しても抑止力にはならない」と言う
▼日本政府が核大国への抑止力として予算を投じてミサイルを配備しても緊張感を高めるだけ。戦闘を回避できるよう金と知恵を費やすのも国防の要諦だ。民間人を守るためにも金の使い道を考えてはどうか。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年11月14日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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