【金口木舌・12.27】:土に生きる
『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【金口木舌・12.27】:土に生きる
年を追うごとに夏は苛酷さを増す。趣味のベランダ園芸で何年も育てた鉢が高温にやられる一方、ブーゲンビリアやハナキリン、ガジュマルなど地のものの強さは別格だ
▼鉢いじりの季節を迎え、土に生きる植物の一生を思う冬。本島中部では中城村の「中城島にんじん」の旬入り宣言があり、山芋スーブも相次いだ。サトウキビはあちこちで収穫を待って花穂を揺らす
▼島ニンジンも山芋も夏の高温、少雨・大雨などの異常気象にさらされ減産や株重量の減少が起きている。土の中で悪運を乗り切ってくれた植物に、生産者のたゆまぬ努力に感謝する
▼中城村の在来種を継ぐ黄色い島ニンジン。土の匂いとさわやかな甘みはチムシンジにも、食卓の普段使いにも。翻って趣味を突き詰めた男たちの山芋スーブ。審査会に並ぶ土まみれの岩塊のごとき大量の山芋。誰がどう皮をむく
▼山芋スーブは「おじーのロマン、おばーの不満」という名言を知った。多くは女たちが調理することから。硬い皮はみんなで一緒にむきましょう。「花よりも花を育てる土であれ」との格言もあるようで、いろいろあった年の瀬に土を思う。
元稿:琉球新報社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【金口木舌】 2024年12月27日 04:00:00 これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。
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