路地裏のバーのカウンターから見える「偽政者」たちに荒廃させられた空疎で虚飾の社会。漂流する日本。大丈夫かこの国は? 

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【筆洗・05.17】:日本人を「米食民族」と呼ぶことがあるが、むしろ「米食悲願民…

2024-05-20 07:21:30 | 【食糧自給率・農業・JA・農協・農家・化学肥料・米の作柄・牛・豚・養鶏・野菜】

【筆洗・05.17】:日本人を「米食民族」と呼ぶことがあるが、むしろ「米食悲願民…

 『漂流する日本の羅針盤を目指して』:【筆洗・05.17】:日本人を「米食民族」と呼ぶことがあるが、むしろ「米食悲願民…

 日本人を「米食民族」と呼ぶことがあるが、むしろ「米食悲願民族」と呼ぶのが正しい。稲作文化に詳しい渡部(わたべ)忠世さんが著書で語っていた。長い歴史で皆が常に米を食べられる時代は最近に限られる。民は長く、もっと食べたいと渇望してきたという

 ▼なるほど米は年貢であり、武士への給料であり、権力の基盤であったが、農家でも白米は特別な日のごちそうだったと聞く。一回でも多く食べたいと願う私たちの祖先は可能な限り田を開いた。山の斜面の棚田は、日本人の米への執着の象徴らしい

 ▼奥能登・輪島の日本海沿いの棚田「白米千枚田(しろよねせんまいだ)」で田植えが始まった。地震で亀裂が入るなどしたが、1004枚のうち被災を免れたり修復したりした約120枚で植える

日本海を背に白米千枚田で田植えをする田のオーナーや白米千枚田愛耕会のメンバー=石川県輪島市で2024年5月11日午前11時32分、阿部弘賢撮影 © 毎日新聞 提供

 ▼作業をする地元有志団体の代表は田植え開始の式でマイクを握ると、途中で言葉を詰まらせた。寛永期に用水が開かれたという千枚田。今年も何とか伝統をつなぎ、思いがこみ上げたか

 ▼千枚田に限らず奥能登の田の被害は大きいが、今年は無理でも来年はと修復に励む農家がいる。米への執着が絶えぬ人の存在に希望を見出(みいだ)したくなる

 ▼渡部さんの本によると昔、海を望む佐渡の棚田を守る老人は「田植えの日は酒や餅などを供え、田を開いた知る限りの先祖の名を空と海に向かって叫ぶ」と語ったという。奥能登のご先祖様たちも見てくれているだろうか。

 元稿:東京新聞社 朝刊 主要ニュース 社説・解説・コラム 【筆洗】  2024年05月17日  07:06:00  これは参考資料です。 転載等は各自で判断下さい。


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