森友文書改ざん=議会制民主主義を根底から揺るがす前代未聞の事態
自由・人権・民主主義・法の支配の価値観の否定だろう!
だったら安倍政権は退場だろう!
国民はアベ政権よりましの憲法を活かす新しい政権だろう!
北海道新聞 森友文書改ざん/国民欺いた責任は重い 2018/3/13
学校法人「森友学園」との国有地取引を巡り、決裁文書が書き換えられていたことを財務省が認め、きのう国会に報告した。交渉の経緯や「特例」などの言葉に加え、安倍晋三首相夫人の昭恵氏に触れた記述が削られた。平沼赳夫元経済産業相ら、複数の政治家の名前も消えていた。辞任した佐川宣寿国税庁長官らの国会答弁に合わせたという。
安倍政権は従来、売却手続きは適正と主張し、首相夫妻の関与や政治的影響を全面否定してきた。その立場を守るための意図的な改ざんと受け止めざるを得ない。
「国民全体の奉仕者」である公務員が逆に国民を欺く、あるまじき行為だ。許すことはできない。
誰が書き換えを指示し、どんな経緯で実行されたのか。まずは事実関係の究明が求められる。
麻生太郎財務相は「一部の職員によって行われた」と述べたが、官僚に押しつけて済む問題ではない。全容解明とともに自らの責任の所在を明らかにするべきだ。
問題の文書は計14件に及ぶ。約8億円もの値引きが発覚した昨年2月以降、財務省本省の指示により書き換えられたという。
公文書管理法は「行政機関は意思決定の過程を検証できる文書を作成し、期間満了まで保存しなければならない」と規定する。
政府答弁に合わせて、公文書が都合良く書き換えられては、行政の信頼性が根底から揺らぐ。
公文書変造罪や虚偽公文書作成罪に当たる可能性も指摘される。麻生氏の責任はきわめて重い。
文書から昭恵氏の名前が削除されていたことで、学園側との親密な関係が異例の取引につながったとの疑念もあらためて高まった。
削除された中には、学園側の発言として「昭恵夫人から『いい土地ですから、前に進めてください』とのお言葉をいただいた」などの記述も含まれていたという。
昭恵氏が当時、開設予定の小学校の名誉校長を務めていたのは動かしがたい事実である。直接の関与はなくとも、政府内に「忖度(そんたく)」を招いた可能性は否定できない。首相はきのう、文書書き換えが「行政全体の信頼を揺るがしかねない」と述べ、国民に陳謝した。自らの責任も問われていることを重く受け止めるべきだ。国会で「私や妻が関わっていれば首相も国会議員も辞める」と明言したことを、忘れてはならない。
野党は昭恵氏と佐川氏の証人喚問を重ねて求めている。与党も早急に応じるのが筋だ。(引用ここまで)
河北新報 森友文書改ざん問題/首相の責任は逃れられない 2018/3/13
官僚はここまで堕落してしまったのか。裏返せば、政治の劣化に他ならない。日本の民主主義の危機を招く前代未聞の不祥事と言っていいのではないか。
学校法人「森友学園」(大阪市)への国有地売却に関する決裁文書を巡る問題で、財務省はきのう、書き換えがあった事実をようやく認めた。
全容解明ための徹底調査は当然のこととして、組織のトップにある麻生太郎副総理兼財務相の引責辞任はもちろん、内閣を統べる安倍晋三首相の責任が厳しく問われなければならない。
肝心の動機が不透明なままだ。財務省の幹部が、国民の代表である国会をなぜ欺いたのか。どんな不都合を隠蔽(いんぺい)したかったのか。
書き換えられた部分を見ると、財務省の「忖度(そんたく)」の疑いがもたげてくる。
書き換えは理財局の指示で昨年2月下旬以降に行われ、計14文書に及ぶ。「本件の特殊性」などの記述のほか、安倍首相夫人で学園が計画した小学校の名誉校長に一時就いていた昭恵氏や、複数の政治家の名前が削除されていた。
昭恵氏に関する削除箇所は「『いい土地ですから前に進めてください』とのお言葉をいただいた」と述べた森友側の発言内容だった。
「特殊性」とはすなわち、首相夫人が絡む「政治的なマター」。そうした認識あったからこそ、削除に及んだのでないか。
麻生財務相は動機について、国税庁長官を辞任した佐川宣寿氏の理財局長時代の国会答弁と整合性を取るためだった、と釈明した。
しかし、答弁のつじつま合わせのために、わざわざ刑事責任を問われかねない公文書の改ざんに手を染めるだろうか。政治的な圧力や配慮が働いたと思うのが自然だろう。
安倍政権が内閣人事局を発足させ、官邸が「霞が関」の幹部人事を一手に握ったことと無関係ではあるまい。
前川喜平前文部科学事務次官が指摘するように、顔色をうかがって忖度する官僚がいても不思議ではなかろう。「安倍1強政治」の弊害が現れたのではないか。
佐川氏の辞任に際し、減給処分を科した麻生財務相は「さらに重い懲戒も否定できない」と指摘したが、自らの進退についてはきのうの段階で「考えていない」とした。
責任を現場担当者にだけ押し付けて、幕引きを図る意図があるのだとしたら、到底認められない。
ごみの撤去費用として大幅な値引きがされた土地取引は会計検査院が「根拠が確認できない」と結論付けた。
安倍首相は昨年2月、「私や妻が関係していたら、首相も国会議員も辞める」と国会でたんかを切っている。疑惑が一段と深まった以上、少なくとも昭恵氏、佐川氏を国会招致すべきだ。もはや逃げることは許されない。(引用ここまで)
信濃毎日 森友文書問題/国民に対する背信行為 2018/3/13
民主主義の根底を揺るがす異常事態だ。
学校法人森友学園への国有地売却を巡る決裁文書を書き換えていたことを、財務省が認めた。14文書に及んでおり、払い下げ問題が発覚した昨年2月から、国会に開示する前の4月にかけて行われた。
国会に偽りの公文書を提出すれば、国会が行政をチェックする機会を奪う。国民に対する背信行為に等しい。国会の存在意義が問われる問題である。
だれが、なぜ、どういった目的で改ざんしたのか。全てを明らかにする必要がある。麻生太郎副総理兼財務相や安倍晋三首相の政治責任も厳しく問わねばならない。
改ざんされていたのは、五つの決裁文書と、それを反映した9文書である。
「特例的」という文言が複数箇所で削られ、安倍昭恵首相夫人や複数の政治家の名前も削除されていた。売買決裁文書では「学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格提示を行うこととした」との文言もなくなっていた。
理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官は国会答弁で、学園との事前交渉を否定し、売却は適正と説明していた。麻生財務相は、「理財局の一部」が答弁と文書の整合性を図るため、書き換えを指示したと説明している。
特例的だった土地売買の性質を隠蔽(いんぺい)する狙いは明らかだ。
公文書に基づかない答弁を繰り返した佐川氏の責任は重大だ。ましてや、答弁に合わせ決裁文書を改ざんするなど言語道断である。
疑問も多い。公文書管理法によると、公文書は「民主主義の根幹を支える知的資源」である。その公文書を「理財局の一部」の意思で改ざんできるのか。
可能だとすれば、財務省は公文書に対する認識を根本的に改めなければならない。組織の在り方が問われる。「理財局の一部」を超える指示系統が関わった可能性も検証する必要がある。
動機も不透明だ。なぜ特例的な取引になり、事実を隠したのか。
安倍首相への忖度(そんたく)が働いたのではないか、との疑念は消えていない。野党は「官邸の政治的圧力ではないか」とも指摘している。学園が計画した小学校の名誉校長を一時引き受けていた昭恵夫人の関与の有無も焦点になる。
与野党は事実の徹底解明に取り組まねばならない。まず必要なのは佐川氏の国会招致である。答弁の正否、改ざんの動機など問いただすことは多い。偽証罪が問われる証人喚問にするべきだ。(3月13日)
新潟日報社説 財務省改ざん 国民欺いた責任は重大だ 03/13
国民をだますに等しい悪質な行為というほかない。もはや書き換えではなく、公文書の「改ざん」と言っていい。財務省はもちろん、安倍政権の責任が厳しく問われよう。
学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、財務省が決裁文書を書き換えていたことを認めた。改ざんは14件にも上る。理財局の指示で、格安の払い下げが発覚した後の昨年2月以降に行われていた。
決裁文書にあった「本件の特殊性」「特例的な内容」といった文言が、国会議員への開示文書では削除されていた。森友側への価格提示に関わる部分もなくなっていた。
さらに注目しなくてはならないのは、安倍晋三首相夫人の昭恵氏に触れた部分も削られていたことだ。昭恵氏からお言葉をいただいたとの森友側の発言などが消えていた。
どうして、こんなことをしたのか。真っ先に浮かぶのは、その疑問である。
財務省側は、理財局長として国会対応に当たった佐川宣寿前国税庁長官の国会答弁との整合性を図るためとしている。
確かに、佐川氏は当時、森友側と事前の価格交渉があったのではないかとする野党の追及を否定し続けていた。価格提示に関わる部分を削れば、食い違いはなくなる。
だが知りたいのは、なぜ、答弁との矛盾を避けようとしたのかである。決裁文書通りに答えると、何か不都合でもあったのか。ここが焦点だろう。
昭恵氏を巡る改ざんも、国会答弁とのつじつま合わせに見える。首相は昨年2月、夫人らの関与があれば首相も議員も辞めると答えていた。
削除部分には、複数の政治家の名前もあったという。疑問はますます深まった。これで幕引きとはいかない。
拭えないのは、指摘されてきたように、首相や官邸に対する行政側の「忖度(そんたく)」があったのではないかという疑念である。
森友疑惑の核心は、首相側との近しい関係が格安の国有地売却に結び付いたのではないかということにある。首相が否定する中、合わせなければとの心理が働いた面はなかったか。
佐川氏は、財務省が書き換えを認める前に、国会対応の責任を取るとして国税庁長官を突然辞任した。だが、辞めて済む問題ではなかろう。
麻生太郎財務相は佐川氏について、「適材適所」と評価してきた。その任命責任、監督責任も極めて重い。
安倍首相は財務省が書き換えを認めたことを受け「国民に深くおわびする」「信頼回復に向け、組織を立て直すために全力を挙げて取り組む」と語った。首相が本気で信頼回復を目指すつもりなら、まずは佐川氏や昭恵氏の国会招致を決断することが不可欠である。首相に求めたいのは、問題を巡る「当事者」であるとの自己認識だ。財務省任せではなく、自身の言葉に従って行動で示さなければならない。(引用ここまで)
愛媛新聞社説 「森友文書」書き換え 重大な背信への政権の責任問う 2018年3月13日(火)
https://www.ehime-np.co.jp/online/editorial/
国民や国会を欺く重大な背信行為である。学校法人「森友学園」への国有地売却問題で、財務省は決裁文書を問題発覚後に書き換えていたことを全面的に認めた。財務省が1年余にわたり国会で虚偽答弁を繰り返し、そのつじつまを合わせるために公文書の方を改ざんしていたことの動かぬ証左が明らかになった。官僚だけに責めを負わせて済む話ではなく、安倍政権の責任が厳しく問われる。誰が、いつ指示したのかなどを徹底調査し、早急に全容を解明せねばならない。
書き換えられたのは土地取引をした際に作った計14の文書。問題が発覚した昨年2月以降に「本件の特殊性」「特例的な内容」「価格提示を行う」といった異例の配慮をうかがわせる文言に加え、安倍晋三首相夫人の昭恵氏や複数の政治家の名前を削除した。昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」とのお言葉をいただいたと森友側が発言していたとの文言も削られ、国会議員らに開示されなかった。いずれも安倍夫妻の問題への関与を容易に推測させる文言ばかりだ。
これほどの改ざんは公文書偽造や虚偽公文書作成の「犯罪」になる可能性がある。しかしより重要な核心は、なぜ改ざんまでして国有地を不当に安く森友側へ売却したかだ。昭恵氏が、学園がつくる予定の小学校の名誉校長に一時就任していた事実が「出発点」との疑念はかねてくすぶっていた。首相や財務省は関与を一切否定してきたが、昭恵氏らの名前を削除したことで疑念は一層強まった。夫妻の存在が官僚の忖度(そんたく)を招き、破格の値引きにつながったのではないか。その最大の疑惑に、政権は直ちに答えねばならない。
当時理財局長だった佐川宣寿前国税庁長官の、国会での虚偽答弁は隠しようがない。事前の価格交渉を否定し、交渉記録は廃棄したとしていたが、今回出された文書で明確に覆された。与野党は証人喚問を決議するべきだ。佐川氏は長官を突然辞任したが、それをもって証人喚問を免れることは許されない。麻生太郎財務相は「適任」と評価していたが、書き換え疑惑が報道されるや否や「更迭」に踏み切った。事実を闇に葬り去ろうとする政権の責任は極めて重い。
改ざんは、よほどの「圧力」か、過剰な「忖度」なしでは到底説明し得ない。首相は4年前に内閣人事局を発足させた。省庁の審議官以上の人事を一元化させたことで、各省庁が官邸の顔色ばかり見るようになったことが遠因ともされる。一から検証する必要がある。
事ここに至っては一刻の猶予もない。首相は「1強」の力で疑惑にふたをするのではなく、率先して事実解明に取り組まねばならない。現政権の政治は不公平さや不明瞭さが際立っており、国民の不信は高まるばかりだ。調査を先送りしたり、うやむやにしたりすれば、政権の命取りになる。(引用ここまで)
中國新聞 森友文書改ざん/民主政治揺らぐ事態だ 2018/3/13
国民への裏切り行為だ—。怒りの声が上がるのも当然だろう。森友学園に国有地を不当に安く売った問題で、財務省がきのう、決裁文書書き換えを認める調査結果を国会に報告した。疑惑報道から10日余り、事実上の改ざんを自ら明らかにした。
森友問題が発覚した昨年2月以降に、合わせて14の文書を改ざんしていた。貸し付け契約までの経緯や、複数の政治家の秘書から照会があったことなどを削除していた。安倍晋三首相夫人の昭恵氏から「いい土地ですから、前に進めてください」とのお言葉をいただいた—と森友学園側が発言した部分もなくなっていたという。
「健全な民主主義の根幹を支える国民共有の知的資源」。公文書管理法が位置付ける公文書である。その重みを、公務員は真っ先に教えられる。自らの判断で改ざんするとは信じ難い。
とはいえ、もしそうであれば行政への信頼は地に落ちよう。しかも国会に出す文書を改ざんしたとあっては、国民主権や、民主主義を揺るがしかねない不正だと言わざるを得ない。
麻生太郎財務相は、書き換えの最終責任者は当時の理財局長、佐川宣寿・前国税庁長官だと説明している。自分の国会答弁の内容に合わせるためというが、うのみにする人は少なかろう。その程度の理由で公務員が改ざんまでするだろうか。
佐川氏が長官を辞めたからと言って幕引きできる話ではない。答弁が虚偽だったと分かった以上、改めて国会に呼び、書き換えを指示したのか、何のためか、そもそも虚偽答弁をしたのはなぜか、きちんとした説明を求めることが欠かせない。
削除された部分には、改ざんした人が伏せたかったことが書かれていたはずだ。問題の核心部分に関わっているに違いない。財務省が8億円を超す大幅値引きをしたのはなぜか、である。背景に何があったか。学園が開校を目指していた小学校の名誉校長を一時務めていた昭恵氏を含め、政権の関与の有無を、国会は与野党挙げて徹底的に追及すべきである。
「1強政治」の下、官僚による忖度(そんたく)が横行しているとの指摘もある。中央省庁の審議官級以上の人事を官邸が仕切っていることも背景にあるのだろう。
「特例的な内容」などの文言も削除されていた。約千件ある2012〜16年度の財務省の公共随意契約のうち、売り払い前提の定期借地とする処理をしたのは森友のケースだけという。瑕疵(かし)担保責任免除特約も延納特約も、非公表にしたのも森友だけだと財務省は昨年11月の衆院予算委員会で説明していた。国会は、これほどの特別扱いの理由をただすことが求められる。
削除部分に名前が出てくる昭恵氏や政治家にも、国会で事実を語ってもらわねばならない。国会ができないようなら立法府の存在意義が問われよう。虚偽答弁や改ざんを結果的に見過ごした麻生財務相や安倍首相の責任も重い。おざなりに見える従来の対応では国民は納得するまい。安倍首相は昨年2月の衆院予算委で「私や妻、事務所が関わっていれば、首相も国会議員も辞める」と言い切った。政権として本気で決着を目指すなら、まずは昭恵氏や佐川氏らの国会招致を与党に働き掛けることが不可欠である。(引用ここまで)
西日本新聞 公文書改ざん/民主主義の根幹が揺らぐ 2018/3/13
国民の行政に対する信頼を失墜させ、議会制民主主義を根底から揺るがす前代未聞の事態だ。
財務省はきのう、学校法人「森友学園」への国有地売却を巡り、疑惑の発覚後に国会議員の求めに応じて開示した決裁文書計14件を改ざんしていたことを認めた。学園側との交渉に関する記載を書き換えたり、安倍晋三首相と妻昭恵氏をはじめ政治家の名前や「本件の特殊性」「特例的な内容」などの文言を消したりしていた。いわば「偽物」の文書を基に国会は審議を続けていたことになる。国民を代表する国会を欺くとは国民をだますのと同義である。
公務員による公文書偽造は虚偽公文書作成罪に問われる犯罪だ。罪を犯しても財務省が国権の最高機関や国民を欺こうとしたのはなぜか。守りたかったものは何か。
麻生太郎財務相の説明はこうだ-国税庁長官を辞任した佐川宣寿(のぶひさ)氏が財務省理財局長当時に「学園側と価格交渉はしていない」などとした国会答弁との整合性を図るため理財局の指示で書き換えた。つまり理財局長の国会答弁とつじつまを合わせようとして、決裁文書を後からこっそり改ざんしたというのだ。改ざんした後の文書を平然と国会へ出す財務省の姿勢も信じられない。
佐川氏の国税庁長官辞任は幕引きどころか幕開けというべきだろう。佐川氏はなぜ当初の決裁文書と食い違う答弁をしたか。国有地がなぜ8億2200万円も格安に値引きされたか。学園が計画した小学校の名誉校長に一時、昭恵氏が就任したことと何か関係はあるのか。疑惑はむしろ深まった。
さらに一連の経緯の中で、首相や政権幹部から何らかの指示や要請は本当になかったのか。「1強政権」に官僚組織は忖度(そんたく)をしたのか。こうなると、麻生財務相だけでなく、安倍政権そのものの説明責任と監督責任も問われよう。
行政府から欺かれた立法府という観点から見れば、この重大問題に与党と野党の区別はない。国会は国政調査権を駆使して疑惑の徹底究明に動くべきである。
沖縄タイムス 森友文書改ざん/国民への裏切り行為だ 2018/3/13
公文書を隠そうとしただけでなく、都合のいいように改ざんしていた。議会制民主主義の土台を破壊する行為だ。
森友学園への国有地売却に関し、財務省が14件の決裁文書の書き換えを認めた。書き換えられた時期が、国有地の大幅値引きという不可解な取引が発覚した昨年2月以降だったことも明らかになった。
当初の文書にあった「学園の提案に応じて鑑定評価を行い、価格提示を行うこととした」「本件の特殊性」「特例的な内容」などの文言が、国会議員に示された文書から消えていたのは、財務省が学園を「特別扱い」していた証拠である。学園側が「神風が吹いた」と話していたのは、このことなのだろう。
削除された部分には、安倍晋三首相の妻、昭恵氏の名前もあった。昭恵氏から「いい土地ですから前に進めてください」との言葉をいただいたと学園側が発言した部分も消されている。
学園が計画していた小学校の名誉校長だった昭恵氏の存在が特別扱いにつながったとの疑惑を打ち消すためとみられても仕方がない。
麻生太郎財務相は書き換えについて、理財局長として国会対応を主導した佐川宣寿前国税庁長官の国会答弁との整合性を図るためだったと説明したが、問題は公文書管理をゆがめ、国民を欺いてきたことにある。
文書改ざんの背景に政権に対する忖度(そんたく)があったのではないか、不信感がますます募っている。安倍政権の責任は極めて重い。
官僚が官邸の意向を先回りして推し量る「忖度政治」が言われるようになったのは、安倍首相が内閣人事局を発足させた2014年以降だ。
官邸は中央省庁の審議官級以上の幹部人事を一手に握り、「安倍1強体制」を強めてきた。
加計学園の獣医学部新設を巡っても、「総理の意向」と書かれた文書の存在が明らかになるなど、忖度が指摘された。
公務員は「全体の奉仕者」として公平、公正さが求められる。にもかかわらず安倍1強体制の下、公務員が「安倍政権の奉仕者」になっていないか。
財務省の文書改ざんは、その表れであり、国民への裏切り行為である。
時の政権や官僚の都合で公文書が書き換えられたり、廃棄されたりしては、民主主義そのものが成り立たない。
国会に提出する文書が改ざんされるという前代未聞の不祥事が起こった以上、財務省トップの麻生氏が政治責任を自覚せず、職にとどまるようなことは許されない。
「責任を痛感している」と反省を口にした安倍首相も、口先だけでなく責任を行動に移す必要がある。自民党総裁として最低限、野党が求める国政調査権の行使を党に指示し、佐川氏と昭恵氏の証人喚問を速やかに実施するよう働きかけるべきだ。
官邸や麻生氏の中には責任を財務省に押し付け、逃げ切ろうとする姿勢が感じられるが、認識があまりにも甘すぎる。そんな状況ではない。(引用ここまで)