「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         東京も旧盆に戻しては!

2007-08-13 05:14:21 | Weblog
きょうから全国的にお盆がはじまる。この時期、新盆の東京(区部)は行事も
なく閑散としている。通りを行く車も少なく、生活しているのは故郷のない"東京
原人”だけである。毎年の事ながら僕は、このシーズンになると日本人として何
か取り残された疎外感みたいな気分になる。

東京も明治初年、グレゴリオ歴採用までは8月にお盆の行事があった。東京以外
にも函館など北海道の一部で7月にお盆をしていると聞く。多分当時のその地域
の役人が新しもの好きだったのだろう。以来、東京では新盆といって7月に行わ
れているが、年々行事は形骸化し、ご先祖へのお墓参りだけになってきた。

東京でも昔はお盆の入りの13日には、夕刻、玄関先や門前でオガラの迎え火を
たき、なすやきうり精霊馬をつくった。仏壇のある部屋には盆提灯を飾り精霊棚
には、まだ若い桃や梨などを供えた。同じように15日の夕刻には送り火をたき、
ご先祖を送り、近くの川で精霊流しをしたー遠い記憶がある。

残念ながら、わが家では今はいっさい、このような行事をしない。サラリーマンと
して転勤が多かったこともあるが、高度成長期、忙しさにかこつけて、お盆だけで
なく、日本古来からの伝統行事をないがしろにしてきたようだ。

茨城の仏門の女性の方のブログに「棚経」という言葉があった。恥ずかしながら知ら
なかったので、お尋ねしたらお盆の前に檀家を訪問、精霊棚の前でお経を読むこと
と教えていただいた。全国各地ではまだこのような行事がきちんと残っているのだ。
やはり、東京も旧盆に戻そう。そして忘れられたお盆の行事を復活してみては。