世界50か国で翻訳され2億部の販売実績があるというベルギーの漫画
「タンタンの冒険」シリーズの「コンゴ冒険」(福音舘書店)が”植民地主義”
”人種差別”との理由で西欧でヤリ玉に上っているという。作者のエルジュ
は24年も前に物故、作品も77年も前のベルギー領コンゴ(現在のコンゴ
民主共和国)を描いたものだ。今、なぜ批判なのかー。
その昔、アフリカといえば遠い、遠い秘境の地だった。1960年頃まで「世
界の秘境」という雑誌がベストセラーであった。なかでもアフリカの国々は
人気があった。時期はそれより早いが「少年ケニア」(山川惣冶・作)の絵入
物語が25万部も売れた。筋は主人公の村上ワタル少年が父親の動物学
者と一緒にケニア奥地を冒険旅行するもの。「タンタンの冒険」の主人公も
少年記者、ストリーが冒険旅行である点は似ている。
1960年は”アフリカの年”といわれこの年だけで17か国が独立している。
コンゴ民主共和国もこの年の独立である。僕は当時「アフリカ」を担当していた。
今、考えると敗戦から15年しか経っていなかった。国内では”もはや戦後では
ない”(1956年国民白書)といわれ、僕の感覚でも戦争は遠い過去のものの
ようだった。しかし、現在、ながいスパーンで歴史を振り返ってみると、日本の
敗戦による”プラス”のインパクトがアフリカ諸国にひたひたと押し寄せていた
時代でもあったのだ。
「タンタンのコンゴ冒険」が今、殖民地主義、人種差別だと非難されているのも歴
史の流れだ。折から人種差別と戦った南アフリカのマンダラ元大統領の銅像がロ
ンドンの中心街に建てられたのをテレビで見た。
「タンタンの冒険」シリーズの「コンゴ冒険」(福音舘書店)が”植民地主義”
”人種差別”との理由で西欧でヤリ玉に上っているという。作者のエルジュ
は24年も前に物故、作品も77年も前のベルギー領コンゴ(現在のコンゴ
民主共和国)を描いたものだ。今、なぜ批判なのかー。
その昔、アフリカといえば遠い、遠い秘境の地だった。1960年頃まで「世
界の秘境」という雑誌がベストセラーであった。なかでもアフリカの国々は
人気があった。時期はそれより早いが「少年ケニア」(山川惣冶・作)の絵入
物語が25万部も売れた。筋は主人公の村上ワタル少年が父親の動物学
者と一緒にケニア奥地を冒険旅行するもの。「タンタンの冒険」の主人公も
少年記者、ストリーが冒険旅行である点は似ている。
1960年は”アフリカの年”といわれこの年だけで17か国が独立している。
コンゴ民主共和国もこの年の独立である。僕は当時「アフリカ」を担当していた。
今、考えると敗戦から15年しか経っていなかった。国内では”もはや戦後では
ない”(1956年国民白書)といわれ、僕の感覚でも戦争は遠い過去のものの
ようだった。しかし、現在、ながいスパーンで歴史を振り返ってみると、日本の
敗戦による”プラス”のインパクトがアフリカ諸国にひたひたと押し寄せていた
時代でもあったのだ。
「タンタンのコンゴ冒険」が今、殖民地主義、人種差別だと非難されているのも歴
史の流れだ。折から人種差別と戦った南アフリカのマンダラ元大統領の銅像がロ
ンドンの中心街に建てられたのをテレビで見た。