「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

        ”命ささげし人々” 終戦記念日

2007-08-15 05:14:52 | Weblog
              「国のためいのちささげし人々の
              ことを思へばむねせまりくる」
62年目の終戦記念日である。毎年のことながら、あの敗戦の日、天皇の「玉音」
を防空壕で聞いた日のことが昨日のように思い出される。上記の歌は千鳥が淵戦
戦没者墓苑内の碑に刻まれた昭和天皇の御製(昭和34年)だが、戦争体験者の
一人として僕も同じ思いである。

8月15日、毎年この日になると、総理や閣僚の靖国神社参拝の是非が年中行事
のように騒がれる。今年も安倍閣僚全員16人が全員参拝しないとのことで話題
になっている。しかし、僕は毎年、国が主催して「全国戦没者追悼式」が天皇が臨
席、総理も出席して、行われている。なにもこの日に靖国参拝をしなくても問題は
ない、と思う。

今月19日から安倍総理が、かっての戦場で数万人も戦没者を出している、インド
ネシア、インドなどを訪問する。公式訪問のほかインドでは、かって東京裁判で、
わが国の無罪を主張したパール判事遺族宅を表敬訪問し,謝意を述べるとのこと
である。僕はあえて反対ではないが、同時に戦争で散華され、現地に眠る戦没者
の慰霊碑にもお参りして欲しい。

横浜の保土ヶ谷区には「英連邦墓地」があり戦争中捕虜として日本に連行され死亡
した英連邦の兵士、1,853人の遺骨が眠っている。エリザべス女王もサッチャー元
首相も訪日のさい、ここを訪れ供花されている。例えば、ジャカルタ市内には「広安
梯隊戦没三十勇士」の慰霊碑があり、同市の博物館が維持管理されている。
三十勇士の碑は当時の戦友が建てたもので、その戦友もガダルカナルへ転戦し、か
の地で玉砕している。
”靖国”に詣でるかどうかではなくて国のトップとして国のために戦没した人を
思うかどうかの問題である。