「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

          節分 恵方巻 隠岐のイカ

2009-02-04 06:45:14 | Weblog
昨夕”鎮守の森”の節分の豆まきに行った。考えてみると、75有余年の人生で
豆まき行事に参加した想い出がない。戦争を挟んで10数年、今のように賑やか
に行われなかったような気がする。神社のお神楽殿の渡り廊下に年男年女が並
び、いっせいに豆をまく。約300人集まった群集がこれを拾う。残念ながら僕は一
袋も拾えなかった。この歳になって、転倒でもしたら物笑いだ。

75有余年、家での豆まきは続いている。ただ家と家との間隔が狭くなり、あまり大
きな声で"鬼は外”とは言えなくなったし、思い切り勢いよくはまけなくなった。どう
しても、ご近所に対して気を配る。柊(ひいらぎ)の枝にいわしの頭を刺して戸口に
置く習慣が地方によってあるそうだが、僕は見たことがない。代わって「節分」のラ
ベルが張ってあるいわしの龍田巻を買ってきた。

習慣といえば、ここ10数年、関西の恵方巻が首都圏で定着してきた。わが家でも腰
痛の老妻が、腰をいたわりながら手作りの恵方巻をこしらえた。伝統の行事ではない
が不思議なもので昔からあったような気になる。

夫婦二人で恵方巻と買ってきたいわしの龍田揚げで節分の夕食をと思っていたら、近
所に住む60年余の友人が、奥さんの故郷、隠岐から航空便で届いたという新鮮なイカ
を届けてくれた。友人の家は、今年の恵方、東北ではない。そんなことは関係ない。二
人は龍田揚げを冷蔵庫に納め直し、イカのお造りを堪能、僕の酒量も進んだ。