「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           東京五輪と札幌五輪

2009-02-07 06:52:26 | Weblog
2016年の東京五輪招致を後押しするための国会決議が、民主党の曖昧な態度で
暗礁に乗り上げている。僕は1969年の東京、73年の札幌五輪をマスコミの現場に
いて経験している。時代が時代だったのかも知れないが、五輪をステップにした経
済効果と国民に活力を与えた影響は大きかった。今から7年先の五輪だ。果たして
僕はこの世にいるかどうか判らないが、21世紀の国家事業として沈滞している国の
活力を呼び戻すには絶好の機会と思うのだがー。このままではIOCの開催地選考に
も影響を与え、東京開催は流れてしまう。

東京五輪と札幌五輪開催前の活気に満ちた町の模様を今でも 想い出す。とくに札幌
は、トワエモアが歌った五輪賛歌「虹と雪のバラード」の歌詞のように"眠っている北
の町に新しい、美しい町ができる”活気であった。東京にもない地下街が誕生、市電
の線路が撤去されて地下鉄が走り、空港からのハイウエイも整備された。

開催中の札幌雪祭りをテレビの画面でみた。世界的な不況で今年は外国人観光客が
少ないという。心なしか例年に比べて賑やかでない。冬季五輪の時の札幌の人口は
100万人だったが、今は180万人に膨れ上がっている。が、この38年間に北海道経済
の要だった拓殖銀行は数年前に破産し、道内一のデパートも破綻している。そして札幌
のシンボルであった、レンガ色の旧五番舘デパート(札幌西武)も近く閉店する。「虹と雪
のバラード」が町中に流れていた時の札幌にはホームレスもいなかった。もちろん三波春
夫の「東京五輪音頭」の時の東京にもいなかった。