「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           長寿の会とドンキホーテ

2009-02-22 07:38:44 | Weblog
昨日、大学時代からの友人に薦められて日本スペイン協会主催の情報交換会「クラブ
ドンキホーテ」に出席した。スペインについて、僕は10年ほど前、老妻と観光旅行に行
き、フラメンコの踊りと闘牛を見学、ドンキホーテと従者、サンチョパンサの銅像の前で
記念写真を撮った程度の体験と知識しかない。

情報交換会というからには、多少スペインの事を知らなければと、にわか勉強したところ
会の名前の「ドンキホーテ」の作者、セルバンテスがこの作品を出版した年齢が前編が
58歳、後編がなんと68歳である事を知った。今でも高齢になっての出版だが、17世紀で
ある。ある評論家によれば、セルバンテスは「ドンキホーテ」を通じて彼の夢と希望を語っ
ているのだという。

主催者が、このことを知って「クラブドンキホーテ」と命名したのかどうか聞き逃したが、参
加者は最高年齢89歳の元大学教授から大半は70歳代の各企業、学会などの”卒業生”
ばかり。70歳古希の歳にサンチャゴ巡礼700キロの道を1人で歩いたという人もいて会は
まさにセルバンテス同様、夢と希望を語る会であった。

高齢になると、なかなか自分が生きてきた世界以外の人と接触する機会がない。たいがい
は企業のOB会とか学校の同期会といった会で、話題も限られてくる。自分の住んでいる地
区の老人会も”老人”の名前に抵抗があって参加しにくい。その点、昨日の会は別社会の
方と接触でき、夢と希望を語り合えるすばらしい会だった。