「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           引越し ”向う三軒両隣”

2009-02-08 06:53:45 | Weblog
経済がこんなに冷え込んでいるというのに,おカネはある所にはあるものだ。先週
わが家の近くに引越してきた方が、クッキーを持って挨拶にきた。その翌日,こんど
は裏の豪邸を壊し、家を新築する別の隣人が煎餅を持参して挨拶にきた。当分、騒
音に悩まされれそうだが、お互いさまで仕方がない。

昔、一戸建ての住宅が多かった東京では、普通引越しの場合、"向う三軒両隣”へ
蕎麦(そば)を配る慣習があった。僕の記憶の中にもある。ものの本によると"蕎麦
へ引っ越してきました。細く長くお付き合いを”という江戸のしゃれからきているもの
らしい。戦後すぐの時代(昭和22年7月ー28年4月)NHKのラジオドラマに「向う三軒
両隣」という番組があったが、この時代までは、この習慣が残っていた。

30年ほど前、僕らが北海道から移ってきて一時、アパートを借りて住んでいたが、そ
の隣に電電公社(当時)が職員住宅を建てた。わが家には、事前の挨拶がなく、それ
も休日まで騒音をたてる。さすがに僕は抗議したことがある。ちょっとした人間的な気
づかいなのだ。

引越しは煩わしいものだ。今年の年賀状の中に僕と同年齢の友人が引越ししていた。
高齢なると、よけいしんどいと思う。僕もわが人生の中で、数えてみたら家族ぐるみの
引越しが5回、僕の単身赴任によるものが3回あった。そのつど"向う三軒両隣”へ挨拶
してきたつもりだが、若い時はどうだったか?やはり人間関係には潤滑油が必要だ。