「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

         遠くなった大東亜戦争勃発の日

2009-12-08 05:34:30 | Weblog
NHKラジオの「今日はなん日」で12月8日はビートルズのジョン・レノンが刺された日
だと、伝えていたが、僕ら世代にとっては大東亜戦争が勃発した日として忘れられな
い。ブログを始めて4年になるが、いつもこの日には戦争関連のことを書いている。あ
れから68年経つのだが、やはり忘れるにも忘れられないのだ。

最近、僕は「それでも日本人は"戦争”を選んだ”(加藤陽子著 朝日出版社2009年)
という本を読んだ。1960年生まれの東大大学院教授の著者が日本近現代史の最前
線を高校生に語る形式で書かれた本だが、後期高齢者の僕が読んでも面白く有益であ
った。

”近頃の若い者はどうにもならない。アメリカと戦争をしたことさえ知らない”-こういった
ような話をよく耳にする。が、僕らが子どもだった時代、日清、日露の戦役は戦争が終わ
って50年しか経っていなかったが「日本海海戦」や「旅順開城」は遠い遠い昔のような気
がした。大東亜戦争が終わってからは、もうそれ以上の歳月が流れているのだ。

僕は満州事変の始まった年に生まれているが、恥ずかしながら事変についてはほとんど
知識がない。学校で学んだこともない。こんど始めて上記加藤教授の本で満州事変の原
因や背景や当時の世界情勢などを学んだ。

先日、天皇陛下が誕生日の談話で語られていたが、すでに日本人の四分の三が戦争を
知らない世代である。12月8日が大東亜戦争が起きた日として知らないのも無理はない。
ただ、天皇陛下も言われていたが、この戦争で300万人以上の犠牲者があったことを風
化させてはならない。