「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

      2010年政府予算案 忘れられた老人福祉

2009-12-26 07:01:02 | Weblog
「コンクリートから人へ」「命を守る」とうたった政府の2010年度政府案が閣議
決定された。その説明の鳩山総理の記者会見をテレビでみたが、老人福祉に
ついては一言の言及もなかった。政権公約(マニフェスト)だった後期高齢者医
療制度の廃止はウヤムヤにされたあげく、予算案でみる限りこれといった老人
福祉対策は一つもない。

「子ども手当て」や「高校授業料の無料化」は将来のわが国を見据えたもので
あり賛成だ。ただ社会保障費の大幅な伸びの中で、老人福祉が置き去りにさ
れたのはどういうわけかー。群馬県の特別老人施設「たまゆら」で象徴されるよ
うに、わが国の老人福祉は深刻で、施設に入所したくとも入れない”待機”老人
で一杯だ。

現在、65歳以上の日本の老人人口は21・3%だが、数年内には日本人の四人
に一人は老人の時代がくる。にもかかわらず、具体的な政策がみられない。今
でも生活保護を受ける老人が急増してきている。僕の旧友は来年傘寿(80歳)を
迎えるが、生活保護の世話を嫌い週に数回、学校の夜警の仕事をしている。

鳩山総理はあまりにも恵まれた生活環境にあって、日本の老人が今置かれた生
活を理解していないようだ。小ブログで何回か紹介したが、卒寿の僕の友人は軍
人恩給まで収入に加算されて後期高齢者医療保険で3割の自己負担をしている。
僕も僅かな収入なのに”現役なみ”と認定され3割負担をしている。

息子に数千万円のおカネを分け与える大金持ちとは違う。こういう時代である。僕
らも相応の協力は、惜しまないが、あまり美辞麗句で年寄りをだますのだけは止
めてほしい。