「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

     昔の歌が歌えない聞けない後期高齢者

2009-12-17 06:43:30 | Weblog
昨日の早朝6時すぎ寝床から起きられずNHKのラジオを聞いていたら、ダークダックス
の「金剛石」の歌が流れてきた。「金剛石」の歌と言っても多分、後期高齢者以外あま
り知らないのではないか。久しぶりに聞くこの歌が、僕にはとても新鮮に感じた。歌詞
は難解で教育関係の組合から文句が出そうだが、ダークダックスということで選曲した
のだろう。

           ♯「金剛石」(昭憲皇太后御歌 奥好義作曲 
                  大正2年 尋常小学校唱歌  )
金剛石もみがかずば珠の光はそわざらん  人も学びて後にこそ まことの徳は現れるれ
時計の針も絶えまなくめぐるが如く時のまも 日陰惜しみて励みなば如何なる業かならざらむ  

後期高齢者にとって、こういった戦中戦前の歌を聞く機会は少なくなった。戦争中子供時
代親しんだ歌のほとんどが軍歌だった。高齢者に人気のあるNHKラジオの「深夜便」の歌
のコーナーでも軍歌はご法度らしく登場したことがない。

軍歌だけでなく金剛石みたいな小学校唱歌や戦争中の童謡もダメらしい。例えば「隣組」
(トントントンカラリンと隣組)「歩け歩け歩け歩け道なき道を)などは戦時中の庶民の生活
を歌ったものだ。「二宮金次郎」(柴刈り藁なえワラジをつくり)「大黒様」(大きな袋を肩に
かけ)などは、なにも戦争を賛歌したものとは思えないのだが。後期高齢者にとっては、J
ポップスなどより、軍歌のほうがなつかしいのだが。損な世代である。