「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

           山高帽に雨傘 半世紀前のロンドン

2012-04-25 07:02:19 | Weblog
昨日、僕は「杖」についてブログを書いたが、その連想で50年前の1962年10月、初めてロンドンを訪れた時のことを想い起こした。、ビートルズが”I love me do"でレコード.デビューしたのも同じ10月だそうだが、もちろん僕は知らなかった。ロンドンで最も印象的だったのは、なぜか、どこへ行ってもお年寄りの姿が多かったことだ。

僕は市の中心部のケンジントンのビッカレージ.ゲートの安宿に1週間滞在したが、近くの公園のベンチはどこもお年寄りが占領していた。当時の日本は若者社会で子供が多かったので、何か僕の目には奇異に映った。でも今調べてみると、当時の英国の高齢化率は10%を少し越えた程度だった。それでも当時日本ではすでに英国は”老成化”しており、活力を失ってきたと、悪口がささやかれていた。公園に老人がたむろする姿をみて”なるほど”と僕も合点したものだ。

当時は固定相場制で1ポンド1008円であった。今は130円前後だからまさに隔世の感がある。ロンドンの街中にはまだ山高帽に細身の雨傘を杖代わりにした紳士の姿が目立った。僕が「杖」から半世紀前のロンドンを想起したのは、このためからかもしれない。当時のロンドンには超高層ビルはなく、山高帽に雨傘がよく似合った街であった。

日本は超高齢化時代である。半世紀前の英国の比ではない。総務省の統計では2010年の65歳以上の老人の総人口に占める高齢化率は23.1%である。数年先には日本人の4人に1人は年寄りという時代が到来する。少子高齢化は念仏ではなく、待ったなしの対策が迫られている。