「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

マレー虐殺の詐話師は詐欺師だった?

2014-09-11 05:55:05 | Weblog
愛読している「酒たまねぎ(木下隆義HP)」の平成21年4月の日記「マレー華僑虐殺事件」の項に”第二の吉田清次”として、シンガポールの虐殺について、ある有名な出版社から出ている本の著者M.N氏の名前が出ていた。吉田清治とは、言わずもがな”従軍慰安婦”問題で、強制連行があったという詐話を朝日新聞に売り込み、結果として、わが国の名誉をこれほどまでに貶めた男である。

10年ほど前、僕もM・N氏の、この本を読み著者が当時の軍事雑誌「丸」に、日本軍は「華僑虐殺計画書」の基づき、マレー半島統治後もペナンで2千人、マラッカで3千人、ジョホールバルで2千人虐殺したと書いているのを知った。まったく出鱈目で、そんな計画書はない。もし書かれているような虐殺があったとすれば、戦後の連合軍裁判で厳しく処罰されている。

一昨年11月、僕はシンガポールの政府公文館に用事があり、出来たら事前にM.N氏に会おうと、人を介してM.N氏に連絡しようと思ったら、知人からM.N氏だろうと思われる人物が詐欺事件で警察に捕まっていると新聞記事のコピーをくれた。それには同姓同名の日本ペンクラブに所属する男が、戦争中の皇室財産を巡る詐話で他人から、数億円を騙し取ったと書いてあった。

「酒タマネギ」HPがM.N氏を”第二の吉田清次」と烙印を押していたが、詐話だけでははなく、この男は詐欺まで実行していた。朝日新聞は、吉田清次にころりと騙されたが、有名出版社も同じ手口で騙されている。迷惑なのは何も知らない読者であり、出鱈目な話が史実として独り歩きすることである。