「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

スコットランド旅愁

2014-09-16 06:33:03 | Weblog
スコットランドの英国からの独立を問う住民投票が18日行われる。現地からの報道では、賛成派、反対派あい半ばしていていて帰趨は判らないという。もし賛成派が過半数を占めると、スコットランドは4世紀ぶりにイングランドから離れて独立し、英国の国旗ユニオンジャックの模様も変わることになる。

スコットランドというと、僕は小学校唱歌「故郷の家」をいだす。この歌は、もともとスコットランドの民謡で、明治20年、宮内庁の雅楽師だった奥好美が、あの鉄道唱歌で有名な大和田建樹と共に「明治唱歌集」を編纂するときに「故郷の家」と訳しして採用した。元歌は”Comin thro the rye"(ライ麦畑においで)だそうで、1970年テレビでドリフターズが歌った”誰かさんと誰かさんとが麦畑”の方が本来の意に近いそうだ。しかし、僕には小学校唱歌の「故郷の空」の方がスコットランドらしい。
                 ♯ 「故郷の空」
             夕空晴れて秋風吹き 月影落ちて鈴虫なく
             思いは遠く故郷の空 ああ我が父母いかにおわす

20年ほど前の9月、僕は老妻と一緒に当時ロンドンに勤務していた息子の家を起点にスコットランドと北アイルランドを旅した。スコットランドは主都エディンバラだけだったが、僕らが旅行した国々の中では最も忘れがたい、旅愁をさそる町だ。季節が秋だった事もあり、僕らは古城の城壁に立ち「故郷の空」を口ずさんだ。

卒業式の歌「蛍の光」や「ア二―ロリー」もスコットランド民謡だそうだ。何かメロデイに日本人の心の共感を呼ぶものがあるのかもしれない。それにしても明治の初めに「故郷の空」と訳した先人たちの感覚に驚く。