「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

動ける幸せ 秋の彼岸

2014-09-22 06:14:01 | Weblog
”暑さ寒さも彼岸まで”とよく言ったものだ。東京は彼岸に入ったとたんに秋の気配である。”秋来ぬと目にはさやかに見えねども”だが、今年は夏の終わりにゲリラ豪雨が各地を遅い、驚いているうちに、あっというまに秋になってしまった感もあるが。風の音などといった優雅なものではない。台風16号が台湾で猛威を振るったそうだが、もう本土への襲来は結構である。

隣家の新築工事が終わり、立派な家が完成した。しかし建築基準法いっぱいに建てられており、庭などない。また町から緑が消えてしまった。20年前わが家を新築したときも、こんなに隣家に接して申し訳ないと思ったが、それでも猫の額ほどの庭を設けた。その時植えた梅の木が今年もたわわに実をつけ、いまデュランダが紫の花を咲かせている。

昨日は”鎮守の森”の秋祭りでもあった。娘の話では先日、お宮参りした高齢の夫人が本殿前の階段で足を滑らし、救急車で病院に運ばれたという。それを聞いて、僕は自粛したが、老妻は娘と一緒に入院の無事を祈願してお参りに出かけてきた。かって”鎮守の森”だった神社の周囲は、すっかり都市化の波にのまれてしまったが、沿道には緑が残り、百日紅(さるすべり)やキンセンカが季節の花を咲かせていた。

同じ年頃の故友人の奥方から、お彼岸を前に息子さんに”連れられて”故郷のお寺の先祖のお墓をどうするか、その相談に出かけてきた、とメールを貰った。そろそろ、僕ら夫婦も”終活”を考える年代になってきたのだ。友人の奥方はメールの終りに”動けるのは、おたがいに幸せである”と付記してあった。お彼岸を迎えての年寄りの雑感である。明日の中日は、大事をとり、僕らに代って娘が墓参してくれる。