今日2月3日は節分である。毎年のしきたりで、わが家でも節分行事の豆まきの福豆、門口に飾る柊(ひいらぎ)、おまけの鬼の面一式を用意した。が、今年は市販の恵方巻は買うのはやめた。節分を前に農水省が、”食品ロス”に協力して、業者に恵方巻を大量に作らないよう、呼びかけたのが、なんとはなく頭のなかにあったのかもしれない。
恵方巻を節分に食べる習慣は、もともと僕が住む東京にはなかった。由来を調べると、大阪の船場だそうで、願い事をかけ、恵方の方角に向かって一気に食べるのが流儀だそうで、武家の多かった江戸には似つかわしくない。この恵方巻が東京でも一般に食べらるようになったのは平成の御代になってからではないだろうか。
関係筋の試算によると、毎年恵方巻による”食品ロス”は10億円にのぼるそうだ。生もので保存はできないし、節分という縁起ものだけにもったいない話だ。飽食時代ならではの産物である。食料難時代をを体験している僕らの世代は”食品ロス”とい言葉を聞くと、逆に戦後すぐのころ、新橋などの闇市で、進駐軍キャンんプから出た残飯を雑炊にして売っていたのを想い起す。
わが家では、節分の縁起物の一つ、イワシの目刺しを焼き、冷蔵庫の残り物を整理して、海苔巻きをつくり、今年の恵方、東北東にむかって誤嚥しないよう注意してゆっくり食べるとことにしよう。(写真は2012年の保存写真)