28日からベトナムの首都ハノイで開かれる予定のトランプ大統領との米朝首脳会談に先立ち23日、早くも北朝鮮の金正恩委員長が専用列車で陸路平壌を出発した。治安上の関係からか事前に委員長の日程は明らかにされていないが、どうやら、委員長は中国各地を視察しながらハノイまで4000キロの旅を続けるらしい。
金正恩委員長のハノイ行路に絡んで61年前の1958年、祖父の金日成初代主席が同じように陸路ハノイ行きし、当時のホーチミン.ベトナム大統領と会談した当時が想いだれる。当時、北朝鮮は金日成主席の下で”千里馬が行く”という諺にちなんで、5か年経済成長政策、「千里馬」運動(1956年ー61年)を展開中、在日朝鮮人に対して”地上の楽園”祖国へ帰国するよう申し入れていた。
当時の日本の新聞は、金日成主席のハノイ訪問について大きく報道していない。まして、金主席の中国での行動は何もない。当時、中国は毛沢東主席指導の下で、”大躍進”経済政策の最中だったが、現実を無視した政策だったため、国内は混乱していた。さらに、中ソ対立が激化し始めていた。おそらく、このような情勢の下での金日成主席のハノイ訪問であった。
完全非核化をめぐって米朝会談の結果は予測できないが、北朝鮮としては、中国という後盾、千里馬に乗って、一挙に走りたいところだが、その思惑どおりに行くかどうか。国際社会に復帰したいのなら、非核化だけでなく非人道の拉致問題の完全解決である。
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