「老人タイムス」私説

昭和の一ケタ世代も高齢になりました。この世代が現在の世相をどう見て、考えているかーそのひとり言。

落ちた "クオーリティ・ぺーパー"

2006-11-02 06:17:25 | Weblog
「Sankei Express」という新しい新聞が昨日創刊された。宣伝文句によると
”新しいライフ・スタイルを提案する。美しい新聞”だそうだ。”新しいライフ
スタイル”を提案できるかどうかは、これからのお手並み次第だが、真っ白
な上質紙を使ったカラー印刷の”美しい”新聞は事実だ。
この新聞のめざすターゲッとは、20代、30代の読者にも受け入れられる新
聞ということだが、戦後紙不足時代センカ紙に慣れている世代にとっては
上質紙かどうかはあまり問題ではない。内容が問題なのだ。


クオーリティ・ペーパーという言葉がある。そして、その例にあげられるのが
米国のNYタイムスであり、英国のガーディアン紙、仏のル・モンド紙である。
いずれも大衆紙に対して質の高い内容の新聞のことを言う。日本では朝日
新聞がそうだったという人がある。僕もそう思い読んでいたが、数年前の
”国際女性法廷”問題以来、購読をやめた。模擬法廷を本物の裁判のように
報じ、偏向思想の”奴隷”になっているからだ。

10月23日の朝日新聞に”大東亜共栄圏、歴史と向き合う”という学者の座
談会記事が載っていた。内容にも問題はあるが、それはさておいて学者の
ひとりは史実を曲げることで定評のある人だ。日本が12月8日に米英蘭に宣
戦布告したり、スマトラで日本軍が労務者を虐殺したなどと自著に平気で書き
訂正もしない。”クオリティ・ペーパー”を認じていた朝日新聞もこのような学者
を登場させるとは落ちたものだ。

観楓会 寒風会

2006-11-01 06:10:07 | Weblog
東京ではこのところ小春日和が続いている。紅葉の季節にはまだほど遠い。
しかし、テレビをみていると紅葉前線は確実に南進している。11月の声を
聞くと僕は36年前、札幌に初めて赴任したころを想い出す。ビルの窓から
見える山々はすでに紅葉が終わりに近かった。戸外にはみぞれまじりの雨
が降っていた。

北海道ではこの季節の前後「観楓会」が催される。文字でみると楓の紅葉を
賞する優雅な会のようだが、実際は仲間内で一泊温泉旅行へ行き,酒を飲
みかわす会のことだ。「紅葉狩り」ではない。”秋の夕日の照る山紅葉”の風
情はない。このころになると北海道は寒くて戸外でゆっくり紅葉を観る余裕は
ない。道外から転勤してきた男が、耳から入った音をそのまま字にして「寒
風会」と書いて笑われた。まさに寒風の頃の会などである。

先日江戸東京博物館で開催中のボストン美術舘から里帰りしてきた肉筆浮
世絵展をみた。歌麿、北斎、広重らの見事な作品に魅せられたが、同時に
僕は江戸の庶民の風流な遊びに感心した。わずか二,三百年前の僕らの先
祖は四季折々の自然を賞し楽しんでいた。一方、現代人はどうだろうかー。
僕の場合は東京に住んでいるせいか紅葉する木さえ見るのがむづかしい。

一日、思い切って旅に出て紅葉狩りを楽しみたいものだ。幸い地球温暖化
現象で紅葉の時期が50年前に比べて15日ほど遅れているそうだ。12月に
なれば温泉地の旅館も安くなるかもしれない。