その後の『ロンドン テムズ川便り』

ことの起こりはロンドン滞在記。帰国後の今は音楽、美術、本、旅行などについての個人的覚書。Since 2008

とある職場の風景 パートナー会社の2011Kick Off Event

2011-01-21 22:42:54 | ロンドン日記 (日常)
パートナー関係にある英国の会社の2011年KickOffMeetingに行って来ました。基本的には従業員向けのものなのですが、運命共同体に近い会社として、私の勤める会社にも数名分ご招待頂いたものです。

ロンドン郊外にある米系有名ホテルの大ホールを借り切っての1日がかりのイベントです。200名強の社員がほぼ集まっている様子で、会場は熱い熱気に包まれたものでした。内容は、社長から始まって、各事業部門や組織長のヘッドが、2011年の事業戦略、目標数字などを正面の大スクリーンに映して、30-40分プレゼンテーションします。

どのプレゼンターも、手馴れた、上手なプレゼンテーションで驚きました。以前、良くテレビで放映されたマイクロソフトのビル・ゲイツさんやアップル社のスティーブ・ジョブさんのプレゼンほどのカリスマはないものの、そのミニチュア版とも言えます。

このプレゼンの旨さは何なのか?幾つか気付いたことは・・・

①シンプルなメッセージを何回も繰り返して言う
 年始の施政方針なのですが、メッセージはどの人も極めてシンプルで、分かりやすいです。私のリスニング力でほぼ完全に聞き取れましたので、その分かりやすさはなかなかないものです。何故、分かるかというと、「今年のうちのValueは・・・・・を更に推し進めること」「・・・・・・で他社と徹底的に差異化する」というように、シンプルなメッセージを、手を変え、品を変え、話すのです。「何回同じこと言ってんだよ〜」と聞こえなくもないのですが、それを如何に同じことと聞こえないように、同じ事を伝えると言う、高度な技と思いました。

 とかく、我々は、充実したコンテンツを話さねば、と思うのですが、むしろメッセージは少なく、シンプルに、刷り込むように訴えるのが大切なようです。

②やっぱり、動きが大切
 皆さん、自分の動きを計算してますね。ずーっと、同じところに立っていると、変化が無く、飽きられます。かといって、あんまりうろうろしていると、落ち着きがないように見える。そのバランスが難しいのですが、今日の発表者の方はお見事でした。

③夢、希望、ビジョンも語る
  2011年のKickOffなのですが、単年のことだけを語っていても、更なる先が見えません。この会社、この事業がどんな将来(Vision)を描いていて、今、我々は何処にいるのか?ここを上手く過ぎれば、何が待っているのか?逆に、上手くできなかったらどうなってしまうのか?そういった話をとても上手く、皆さんはなされていました。私が社員だったら間違いなく、「よ〜し、この会社で頑張ろう」と思ってしまう内容です。

④聴衆を巻き込む
 2011年の事業戦略、アクションプランが軸なのですが、2010年の成績優秀者や功労者の表彰やねぎらいが、旨く埋め込まれていました。聴いている人がその時は主役になれますので、会場が盛り上がりますね。

まあ、こういったことは、良く「プレゼンテーションの技法」といったような本には書いてありますし、私も昔、会社で研修も受けました。でも、日本人って、照れもあるのか、なかなか役者になりきれない時が多い気がします。まあ、正直、外人が英語でやっていると、格好良く見えてしまうというコンプレックスもあるのかもしれません。ただ、参加していた社員の方も、高い集中力で聞かれていたのが分かったので、客観的に見ても、十分に成功のプレゼンテーションであり、社内イベントだったのだと思います。

あと、蛇足ですが、気付いたのは、偉い人ほどプレゼンが上手いです。これは、偉いから話す機会が増えてプレゼンが上手くなくのか、それとも話しの上手い人が偉くなるのか?どっち、なんでしょうか〜。なんか、直感的には後者のような気がしましたが・・・

非常に刺激になった1日でございました。
コメント (2)
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