ロスアンジェルス・フィルハーモニックのロンドン公演に行って来た。
指揮は同楽団の音楽監督を勤め、今世界で最も注目の若手カリスマ指揮者といっても良いグスターボ・ドゥダメル。1981年1月26日生まれということらしいので、まだ30歳になったばっかり。すげえ〜。
今日のプログラムはマーラーの交響曲第9番の一本勝負。
バービカンホールの舞台一杯に広がる大オーケストラが、第1楽章からスケール感一杯の音楽を奏でてくれた。ただ金曜日の演奏会ということで、いつもどおり自分の集中力が欠け、聴いているような、聴いていないような宙に浮いた感じ。第2楽章以降は復活し、一生懸命聴いた。第2楽章はリズミカルな旋律が楽しい。でもやっぱり、マーラーの第9は第4楽章が圧巻。主題が形を変えて繰り返され、進むに従って薄くなり、最後は消えて行く。マーラーは最後の小節に「死に絶えるように」と書き込んだそうだが、その通りだ。最後の音が消えて、ドゥダメルの腕が降りるまで1分近くあったのではなかろうか。マーラーの9番を聞くのはこれが3回目だが、こんなに長いセ静寂の時間が続いたのは初めてのような気がする。
ドゥダメルの指揮姿はエネルギッシュで気持ちがいい。暗譜で全身で楽員に向かっていく感じが、若さがあっていい。オーケストラはどの楽器も良くなっていて、迫力満点だった。マーラーということもあり、金管が大活躍。
ただ・・・、正直、自分の中に、深く胸に残るような感動は起こらなかった。何故だかは良くわからない。私がこういうのも何だが、音楽は美しいのだが、なんか精神的に後に残らないのである。さっぱりしていて、不思議な気分だった。初めて聴いたのはチョン・ミョンフン指揮のN響だったと思うが、その時は第4楽章の感動から抜け出すのに数時間かかったほどだったのに。あまりにも若くて活きのいいドゥダメルの指揮とマーラーの暗い9番のイメージが合わないといったビジュアル的なものなのかもしれない。やっぱり、マーラーの9番は、ミョンフンが目を閉じて静かに指揮したり、ハイティンク大先生とかが難しそうな顔をして、指揮棒の先一つでオケを操るみたいなほうが合うのかな?などと後で勝手なことを考えた。
しかし、終演後の拍手はすごいものだった。カーテンコールでは、ドゥダメルは常にオーケストラを立てて、自分が中心に立つようなことがない。謙虚な人なのかもしれない。
Los Angeles Philharmonic / Dudamel
28 January 2011 / 19:30
Barbican Hall
Mahler Symphony No 9
Los Angeles Philharmonic
Gustavo Dudamel conductor
指揮は同楽団の音楽監督を勤め、今世界で最も注目の若手カリスマ指揮者といっても良いグスターボ・ドゥダメル。1981年1月26日生まれということらしいので、まだ30歳になったばっかり。すげえ〜。
今日のプログラムはマーラーの交響曲第9番の一本勝負。
バービカンホールの舞台一杯に広がる大オーケストラが、第1楽章からスケール感一杯の音楽を奏でてくれた。ただ金曜日の演奏会ということで、いつもどおり自分の集中力が欠け、聴いているような、聴いていないような宙に浮いた感じ。第2楽章以降は復活し、一生懸命聴いた。第2楽章はリズミカルな旋律が楽しい。でもやっぱり、マーラーの第9は第4楽章が圧巻。主題が形を変えて繰り返され、進むに従って薄くなり、最後は消えて行く。マーラーは最後の小節に「死に絶えるように」と書き込んだそうだが、その通りだ。最後の音が消えて、ドゥダメルの腕が降りるまで1分近くあったのではなかろうか。マーラーの9番を聞くのはこれが3回目だが、こんなに長いセ静寂の時間が続いたのは初めてのような気がする。
ドゥダメルの指揮姿はエネルギッシュで気持ちがいい。暗譜で全身で楽員に向かっていく感じが、若さがあっていい。オーケストラはどの楽器も良くなっていて、迫力満点だった。マーラーということもあり、金管が大活躍。
ただ・・・、正直、自分の中に、深く胸に残るような感動は起こらなかった。何故だかは良くわからない。私がこういうのも何だが、音楽は美しいのだが、なんか精神的に後に残らないのである。さっぱりしていて、不思議な気分だった。初めて聴いたのはチョン・ミョンフン指揮のN響だったと思うが、その時は第4楽章の感動から抜け出すのに数時間かかったほどだったのに。あまりにも若くて活きのいいドゥダメルの指揮とマーラーの暗い9番のイメージが合わないといったビジュアル的なものなのかもしれない。やっぱり、マーラーの9番は、ミョンフンが目を閉じて静かに指揮したり、ハイティンク大先生とかが難しそうな顔をして、指揮棒の先一つでオケを操るみたいなほうが合うのかな?などと後で勝手なことを考えた。
しかし、終演後の拍手はすごいものだった。カーテンコールでは、ドゥダメルは常にオーケストラを立てて、自分が中心に立つようなことがない。謙虚な人なのかもしれない。
Los Angeles Philharmonic / Dudamel
28 January 2011 / 19:30
Barbican Hall
Mahler Symphony No 9
Los Angeles Philharmonic
Gustavo Dudamel conductor