★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

判子不要論

2020年06月03日 20時44分02秒 | 徒然(つれづれ)
 コロナ禍でテレワークが注目され、それに伴い判子不要論が浮上している。
 わざわざ出社して、上司の判子をもらうというアナログ感が、テレワークとシンクロしないようだ。
 しかし、私は判子で命拾いした経験がある。
 
 30年ほど前、私が某通販会社でMDをしていた頃の話だ。
 当時私が担当したカタログのひとつにバレンタインカタログがあった。
 タブロイド判8ページ、発行部数50万部で2億の売り上げ予算だった。当時そのページ数で2億はそこそこ大きな金額だ。

 商品決定から校正、在庫の確保までを、当時主任だった私が実務責任者として切りまわした。
 出来上がったカタログは、事前に反応を見るために、2000部ほどを優良顧客にパイロット版として配布した。

 数日後コールセンターに1件のクレームが入った。
 通常クレームは責任部署にいの一番にまわってくる。
 しかし、そのクレームは私の部署を通らず、上の方へまわり、たまたま社長の耳に入ってしまった。

 そのクレームの内容というのが、カタログ掲載商品のひとつに、いかがなものか的なものがある。
 子供には見せられないようなものだ、とクレーム主は憤慨していたらしいとのこと。

 その商品は当時巷の一部で流行っていたパロディ商品だ。
 バナナを模したチョコレートで、先端はバナナではなく、男のシンボルの形だった。
 唇やお乳、お尻の形のパロディチョコもあるので、バナナも大丈夫だろうという軽いノリで掲載した商品だ。

 それを見て社長は、こんなカタログやめてしまえ、と烈火のごとく怒りまくっていたらしい。
 即刻、私は直属の上司の商品課長と企画課長とともに、部長席へ呼ばれ、事情聴取となった。
 ふたりの課長は部長の両隣に立ち、実務責任者の私の責任と言わんばかりの口ぶりだ。

 私は問われるままに商品決定の経緯を話し、何人かの女性社員にも感想を聞いたりしたことなどを述べた。
 部長から商品決定シートを持ってくるように言われ、それを提出した。
 そこにはメーカーカタログから切り取った商品写真が貼ってある。
 そして右上の承認欄には、商品課長と企画課長、それと担当の私の判子が押印してあった。

「君たちが承認しているやないか。盲判か?」
 それまで私を責めていた部長の矛先はふたりの課長に移っていった。
 私は放免され席に戻り、善後策なり対策なりが指示されるのを待った。
 その時、サラリーマンにとっての判子の重要性を身に染みて実感した次第だ。

 後日譚だが、残りの49万8000部のカタログは印刷会社で100数十名のアルバイトを使って、バナナチョコの上に剥がれないシールを貼って、無事配布完了した。
 その作業の費用が2000万ほどかかり、カタログの利益はほとんど飛んでしまったのは言うまでもない。


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痛みの中心点

2020年06月03日 12時54分38秒 | 徒然(つれづれ)
 痛みにもいろんな痛みがある。
 そしてその解消法も様々だ。

 病院や薬の世話になるような大きな痛みではなく、例えば片頭痛とか筋肉痛とかの、我慢できないほどではないが、やっぱり気に障る痛みだ。
 その解消法をいつも模索している。

 片頭痛の場合、痛みのツボというか、痛みの中心をピンポイントで探し出し、そこに生えている1本の頭髪を引っ張るのだ。
 片頭痛の痛みと頭髪が引っ張られる痛みの相乗効果で、1点に集約された得も言われぬ痛みの快感が出現するはずだ。

 そして最後はその頭髪を思い切り引き抜く。
 すると片頭痛もそれと一緒に霧散するはずだ。

 筋肉痛の場合も痛みのツボを見つけて、こちらは指圧よろしく指で押す。
 その指が痛みの中心のピンポイントを的確にとらえると、痛みの快感で胃液が込み上げるような感覚になるはずだ。
 それに合わせゲップをすると筋肉痛は霧散するはずだ。
 
 どちらも、痛いの、痛いの、飛んでけ~的な発想だ。

 というようなことを常々考えて、頭髪を引っ張ったり、筋肉痛の場所を押さえたりしているが、痛みのピンポイントがなかなか見つからない。


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歯の話(歯無し)再び

2020年06月03日 09時27分22秒 | 徒然(つれづれ)
 昨夜からの左下歯茎の違和感は、夜中には鈍痛に変わった。
 その鈍痛のため眠りは寸断され、夢は切れ切れの嫌なものばかりだった。
 五感が活動を止める睡眠時は、痛みの感覚はより鋭敏になる。

 朝起きて洗面所の鏡を見ると、左顎付け根のリンパ節が、おたふく風邪よろしく大きく腫れていた。
 昨夜ワンポイントリリーフの仮入れ歯が、ポリグリップのおかげもあり快調で、調子に乗って肉野菜炒めなど、ちょっと固い料理を食べたからだ。
 上奥歯のない患部とは反対側の歯茎が、咀嚼の圧力で腫れたのだ。
 ちょうど7ヵ月前に、右顎がこれと同じように腫れたことがあるので、驚きはなかったが、憂鬱なものだ。

 左顎リンパ節の痛みは、リンパ網を経由し、全身の筋肉や関節に伝播していた。
 特に左側頭部はピンポイントで痛みのパルスを発信し、手指の関節は痛みの悲鳴を上げていた。

 今日はウォーキングは中止して静養しよう。


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