なんだって、気のせいさ

　目が痛い。かすむ。見えにくい。
　テレビの音が聴き取りにくい。何を言っているのかわからない。特に女性のソプラノボイス。

　ウォーキングしていると腰が痛い。膝が痛くて15分歩いて休憩。足の指が正座の後みたいに痺れる。
　肩が凝る。腕が上がらない。
　歯がグラついている。歯茎が腫れている。

　人の名前が出てこない。物忘れがひどい。あれあれ、それそれ、ほら、例のアレ。
　頭が重い。すぐ眠くなる。集中力が続かない。

　夜中に何度も目が覚める。
　トイレが近い。下痢と便秘を繰り返す。食欲がない。

　不定愁訴がひどい。

　歳だから仕方がない。
　なんてこと言ってたら、本当に病気になりそうだ。
　病は気から。
　すべては錯覚、気のせいと思うことにしている。
　

狙いは読後感。読めばわかる、あるいは読んでもわからないかもしれないが、なんとなく心の片隅に残る奇妙な違和感。ありきたりで普通を装った妙な安心感。　そんな小説を、Amazon Kindle Storeに30数冊アップしています。★★　拙著電子書籍ラインナップ・ここから買えます。
　読後のカスタマーレビューをいただけたら幸いです。