あの日に帰りたい

　あの頃はよかった。
　誰でも一度や二度、あるいはそれ以上、過去に思いを馳せ、そんな感慨を抱いたことがあるだろう。

　歳を重ねると尚更だ。
　懐古の泉に浸り、思索の森で遊ぶ、引きこもり年金生活のたそがれオヤジの私などその典型かもしれない。

　世間では、過去を懐かしんだり、過去に拘るのは、あまりいいことではないように思われがちだ。
　人間は過去を振り返ることなく、未来の夢に向かって進むべきだ、などと言われたりもする。

　若い世代だったらそれも大いにありだろう。
　しかし、すでに定年退職した前期高齢者にとって、輝ける未来の夢などあるのだろうか。
　そんなことなど、文字通り夢みたいな話だ。

　未来の夢がないのなら、過去を懐かしむしかないことは明らかだ。
　過去を振り返り、あの頃はよかった、と思うこと自体、精神衛生にはいい影響しか与えない。
　あの頃に戻りたい、という願望も許されていいはずだ。

　ダメなのは、あの頃はよかったが、今はどうしようもない、あの頃にはもう戻れないのだという、現在や未来に対する悲観だ。
　何事も気の持ちようで、気分がよくなるのなら、あの頃の想い出に浸るのもいいかもしれない。

　そんな私の趣味の執筆も、古き良きあの頃をテーマにしたものが多いのは、当然といえば当然だろう。

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狭い部屋でルンバは使えない

　お掃除ロボット「ルンバ」のCMをよく見る。
　ダイソンの掃除機の次くらいに、全自動のよくできた掃除機だとは思う。

　しかし、よくよく考えると、果たしてルンバで掃除が可能な家が、日本にどれくらいあるだろう。
　外国の広いフローリングの床ならまだしも、日本の家の作りからして、CMと同じような広々としたフローリングが存在する確率はかなり低いと思われる。
　そんなもの、一部のセレブの豪邸くらいのものだろう。

　仮に庶民の家であったとしても、所狭しと家具やインテリア小物、雑貨などが散在しているはずだ。
　そんなところにルンバの通り道や作業スペースなどあるはずもない。

　もしルンバで掃除しようと思ったら、まずは額に汗して障害物の撤去作業から始めるしかない。
　それでは、楽チン掃除が目的のルンバなのに、まったくもって本末転倒だ。
　

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ネットの天気予報

　ネット社会になって便利になったものは数あれど、天気予報ほど私に身近なものはない。
　インターネット以前は、リアルタイムに一番近い、テレビの天気予報が頼りだった。

　空模様が怪しい時は、出社前のニュースで確認したものだ。
　しかし見逃すと、次は昼のニュースまで当日の天気はわからない。
　ずいぶん間延びした不便な状況だったのだ。

　それが今や、1時間単位、直近なら5分単位で、雨雲レーダーにより雨雲の状況がわかるのだ。
　週間天気予報も3時間、あるいは6時間単位でわかる。

　その精度も昔に比べると雲泥の差だ。
　例えば、今週末、あるいは来週末の天気を調べる場合、当然、誤差があり、当日が近づくほど精度は高くなる。

　過去の経験から、素人なりに雨の降る時間帯を予測もできる。
　毎朝ウォーキングをしている身にとっては、雲行きが怪しい時の判断材料として、雨雲レーダーは重宝している。
　

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