★★たそがれジョージの些事彩彩★★

時の過ぎゆくままに忘れ去られていく日々の些事を、気の向くままに記しています。

演歌よ、世界に羽ばたけ

2022年05月12日 10時42分45秒 | 徒然(つれづれ)
 唱歌「故郷(ふるさと)」が妙に心にしみる歳になった。
 ほとんどの人間に故郷はあるはずだ。

 私にとっての故郷は、あの九州の辺境の田舎町だ。
 しかし、すでに祖母や両親は亡くなり、実家も売却した現在、私の帰る場所はない。

 弟夫婦や親戚の家はあるが、私にとっての安息の場所、いわゆる"ふるさと"ではない。
「故郷」の歌詞から連想するしかない遠い想い出になってしまった。

「故郷」をはじめとする唱歌はもちろん、直接的に歌っているわけではないが、演歌も私に故郷を想起させる。
 短調の切なくやるせないメロディと、郷愁を誘う歌詞がそうさせるのだろう。

 日本のミュージック・シーンに於いて、歴史の古い演歌は、ないがしろにされている感がある。
 音楽シーンを席巻するJポップに、長く歌い続けられるような歌はほとんどなく、その場限りの量産体制だ。

 アメリカでは今でも、ブルースやカントリーなど昔の歌も、それなりにリスペクトされている。
 フランスにはシャンソン、イタリアにはカンツォーネ、スペインにはカンテ、ポルトガルにはファドがある。
 それらは昔からそれぞれの国に根付いた音楽だ。

 日本の音楽が世界的になかなか評価されないのは、そのあたりが原因なのかもしれない。
 温故知新ではないが、演歌や唱歌の中に、今後の日本の、世界に向けた音楽の方向性の鍵が隠されているような気がする。

 若者ももっと演歌を聴くべきだ。
 それには有名ミュージシャンが積極的に、演歌というものの本質に向かい合う必要がある。
 演歌は、日本のブルース、カントリーなのだ。
 


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