ユマニチュードって聴いたことがありますか?
ユマニチュードは認知症の方に対するケアの技術のことです。
言葉や身振り、目線などを用いた包括的なコミュニケーション法を軸としているのが特徴です。
具体的な手法によって体系化されています。
この技術をきちんとマスターすれば誰でも認知症の方のケアができると言われており、
実際、世界中の認知症介護の場で取り入れられ、大きな成果を挙げつつあるのです。
長崎県対馬市に来られたユマニチュードの創始者の1人フランス人のイブ・ジネストさんは
愛と優しさが相手の脳を守ると、話されたそうです。
それでは、ユマニチュードの歴史、技法、効果、注意点などを、イヴ・ジネスト氏、ロゼット・マレスコッティ氏、本田美和子氏の共著『ユマニチュード入門』(医学書院)を参考に解説していきます。
ユマニチュードは、フランス人のイブ・ジネストさんとロゼット・マレスコッティさんによって1979年に開発されました。
日本への導入は、2012年2月に両氏が国立病院機構東京医療センターを訪問し、日本人患者へのケアを行ったのが最初です。
その後、同センターでユマニチュードの研修が行われていき、新たなケア技法として注目を集めるようになりました。
ユマニチュード(Humanitude)とは、フランス語で「人間らしさ」を意味する言葉だそうです。
「人とは何か」「ケアをする人とは何か」という問題意識が基盤にあるとのことです。
「ケアをする人中心」でもなく「ケアされる人中心」でもない、両者の絆を中心にとらえてケアを行うのがユマニチュードの考え方です。
「見る」と「話す」と「触れる」のうち、少なくとも2つ以上の技法を同時に使いながら、
「あなたを大切に思っている」というメッセージを継続的に届ける段階を「知覚の連結」というそうです。
優しく話しかける一方で、手を強く握ると、届けるメッセージに矛盾が生じます。
言葉と行動に調和や一貫性を持たせながら接することがここでは重要です。
本人の五感に伝わるものすべてが、同じ意味を持ち、ポジティブなものとなる…
目と目を合わせるだけでも、オキシトシンが出ることが分かってきたそうです。
介護と関係ない方も、
まずは、目と目を合わせることから始めませんか?