小中学校で実施している「ひまわり先生の命の授業」は、
ある小学校の校長先生から
「いじめっ子への対応」のご相談を受けて
8年ほど前に始めました。
「いじめられた子どもは、カウンセラーの元に行っても、
いじめっ子は、どうしたら良いですか?
ターゲットを変えていじめを繰り返します。
どうも、親は子どもに暴力を振るうようですが、
一番聴いて欲しいのに、
PTAの講演にも来てはくれず、対応に苦慮しています。」
この校長先生は、いじめっ子の家庭に問題があると察し、
親への教育やこの子の心のケアが必要と感じていらっしゃったにも関わらず、どうしていいか分からない、
そういう親に限って、学校には、出てこないから、
親ともコミニュケーションが取れず、
困っているとおっしゃるのです。
親がダメなら、直接語りかけよう、
いじめっ子にも、いじめられている子どもにも。
そういう経緯で、「心の授業」を始めました。
その後、取材してくれた新聞記者の方が、
記事にひまわり先生の「命の授業」と載せてくださり、今に至っています。
これまで、九州を中心に離島や山奥の学校まで100校以上、お邪魔しました。
全校児童29人の小学校から、全校生徒800人の高校など、様々。
「ひまわり先生の命の授業」後、
今まで、嫌なことをされて、何もいえず我慢していた子どもが
「いや」と、言えるようになり、
一時的に、ケンカが増えたというご報告を度々、先生や保護者からいただきます。
これから、益々、心の専門家の学校、家庭への援助が必要になってきます。
いじめ防止対策のためのオススメのDVDと本をご紹介します。
DVD ~いじめで受ける心の傷とその対処法~
講師 : 倉成 央
(株式会社メンタルサポート研究所 代表/九州女子大学非常勤講師/一般社団法人メンタルヘルス協会 副代表理事/臨床心理士・博士(学術))
定価 : 21,000円(本体20,000円+税)
◎今の子どものいじめは心理的なものが増えています。
体の傷と違って目に見えませんが非常に深刻です。
その大きな心の苦痛は、性格形成やその後の人生に大きな影響を与えます。そして、時には生命すら脅かすこともあります。
しかし、その時に周りの大人がキチンとした対応をしてあげれば、いじめを受けた子どもの心は救うことができるかもしれません。
◎このセミナーでは、いじめを受けている子どもの心を軽くしてあげるために何ができるのか?、どのように接するのが望ましいのか?
いじめの対応について大切な姿勢を学ぶことができます。
本 「いじめで受ける心の傷とその対処法-その時大人はどうするか?」
倉成 央 著
いじめ被害に遭っている子どもを如何に早く発見するか、
いじめ被害がその子どもの心の傷にならないようにするために、どのような態度で接し、どのような言葉を掛けてあげればよいか-。
心理カウンセラーという立場でいじめの被害で傷ついた子どもやその親たちと面談をしてきた著者が、そのハウツウをまとめました。
子どもを持つ親たち、教師といった方々をはじめとして、子どもと関わる可能性のある全ての方々に読んでいただきたい本です。
倉成 央(くらなりひろし)心理カウンセラー
心療内科医院などの紹介で個人カウンセリングを行っている。
また不登校や引きこもり、家庭内暴力等子供の問題や、子育ての問題、母親のストレスケアーについても、多くのカウンセリングを実施している。
アベノミクスで、良かったと思うのは、いじめ防止対策法成立。
いじめへの対応と防止について学校や行政等の責務を定めた
「いじめ防止対策推進法」が、先月成立した。
おととしの大津市の中2男子自殺など、
深刻化するいじめの現状を受け、与野党による議員立法で実現した。
生命を脅かすような重大事態について、
学校や自治体に調査・報告を義務づけるほか、
いじめ防止のため学校に複数の教職員や心理・福祉の専門家による組織を常設することを盛り込んだ。
「息子が今、生きている子どもたちのために命がけでつくった法律だと思う」
いじめを受けて自殺した大津市の中2男子生徒の父親(47)は、
法成立を受けて文部科学省で記者会見した。
声を詰まらせながら何度も涙をぬぐった。
大津の問題では、いじめ情報を公表しなかった学校、チェック機能を果たさなかった市教委など対応の問題が次々と露呈した。
「日本の学校が変わったと実感できるまで、法律の運用を見守りたい」
と父親は力を込めた。
ただ、同法の内容については「抽象的な表現があり100%でない」と悔しさものぞかせた。
法案の段階で、いじめ発生時の調査に外部の専門家を加えることを義務付けるよう条文への盛り込みを求めてきたが、付帯決議にとどまった。
「学校や教委の隠蔽(いんぺい)や不適切な対応で二重に苦しんでいる遺族もいる。運用に問題があれば、即座に見直してほしい」
と訴えた。
教師のスキルアップが不可欠で、
研修は誰がどのように行うのかも、まだこれから。
法律が形骸化しないように願う。
この法律で、定めた早期発見や早期対応は、
特に大津の自殺問題を受けて以降、
各学校、自治体で始まっている。
福岡県のある公立中は昨年度から毎月初旬、全生徒にいじめアンケートを実施。
校長は「小さなことでも早く対応できるようになった」と話された。
以下、いじめ防止対策法の内容
◇早期発見へ定期調査
いじめ防止対策推進法は、小中高校と高等専門学校が対象で今秋に施行される。
早期発見のため学校に定期的な調査の実施や相談体制の整備を求めた。
さらに校内に教員や専門家で構成するいじめ防止対策の組織を置く。
いじめが確認された場合は、学校だけで課題を抱え込まないよう、警察、児童相談所、法務局など関係機関との連携を強く促している。
重大ないじめの場合は、学校が調査し、自治体首長らへの報告を義務づける。
インターネットでのいじめへの具体的対処法も盛り込まれた。
"児童・生徒がけがをするなど重大ないじめが起きた場合、学校が事実関係を調査。
学校はその内容を、いじめを受けた児童・生徒とその保護者、地方自治体に報告する義務を負う。
先ほど、ご紹介した大津事件のご遺族のお父さまから、同級生の卒業式に読まれた同級生への手紙。
この度はご卒業誠におめでとうございます。
先生に無理を言ってこの手紙を読んでいただく事に致しました。
どうしても息子に代わってお礼が言いたかったからです。
皆さんがアンケートを通して訴えてくれたおかげで、皆さんの声が今、国を動かそうとしています。
新たないじめ防止に対する法案を国が必死に考えてくださっています。
お調子者の息子は皆さんにご迷惑をおかけしていたかもしれませんが、どうか許してやってください。
そしていつまでも覚えていてやってください。
息子は皆さんの事が大好きだったと思います。
そしてこれから高校に進学し、将来子供を持つ大人になった時にまた思い出してやってください。
そして皆さんの子供さんに話してやってください。
「日本の学校が世界で一番安心で安全で、そして楽しい学校になったのは俺たちお父さんやお母さんが変えてきたからなんだぞ」と。
そこにはいつも息子がいると思います。
これからまだまだいろいろな困難が人生にはあるかと思いますが、どうか臆することなく立ち向かっていってください。
息子とともに応援しております。
お父さんは、どんな想いで、どれだけ苦しみ抜いて、このお手紙を書かれたことでしょうか。
いじめで命を絶ってしまった子どもたちの死を
ご遺族の無念を無駄にしてはいけない。
そして、もう二度とかけがえのない命を失うことをしないように
大人が対処しなければいけない…。