大分県日田市に来ています。
日田に講演に来るのは、今回で3回目になりました。
日本遺産である史跡咸宜園(かんぎえん)跡にきました。
館長さんの江口先生に詳しくお話を聞かせていただきました。
西郷隆盛は、南洲遺訓の中で、
「講学の道は敬天愛人を目的とし、身を修するに克己を以もって終始す可べし」
と、言いました。
江戸末期の日本最大の私塾である咸宜園を作った広瀬淡窓(ひろせたんそう)は、
「敬天積善」と言いました。
経験とは、単相の独自の思想で、店を恐れ敬う事です。
また、「積善」とは、淡窓が1万善を積むことを目標に、
日常の行動を善行と悪行に分けて記録しました。
善行から悪行の数を差し引いて集計し通算していきました。
54歳からつけ始め、目標の1万善を達成したのは67歳の時でした。
淡窓は、生徒を学歴・身分・年齢を問わず、
男女などの差別なく教え、
カウンセリングで言うOKーOKを実践されていました。
「勉強しただけでなく、
世のため、人の為に教えなさい。」
と言い
知恵だけでなく、思いやり、正義、信頼、礼儀も大切にしました。
江戸時代に女性にも門戸を開き、90年に亘り、多くの知識人を輩出しています。
日本人の識字率は、今でも高いことが知られています。
近代日本を訪れたイギリス領時代のカナダ出身の冒険家ラナルド・マクドナルドは「日本回想記」の中で、
「日本人の全ての人最上層から最下層まであらゆる階級の男、女、子どもは、紙と筆と墨を携帯しているか、肌身離さず持っている。
すべての人が読み書きの教育を受けている。
また、下級階級の人々さえも書く習慣があり、手紙による意思伝達は、わが国におけるよりも広く行われている」
と述べています。
200年前の日本に
こんな素晴らしい先生が居たんですね。
学ぶ心について、教えてもらいました。