マザーテレサは、こう言いました。
「愛の反対は憎しみではなく無関心です」
確かに、カウンセリングをしていると、
憎しみの裏には、深い悲しみが隠れているのを目の当たりにします。
愛してるから、憎しみとなって現れているのかも。
過剰な憎しみなら、心理学では、反動形成と言い、愛情の裏返し、
つまり、憎しみは、愛情が抑え込まれ、外に違う形で現れているのだと見ます。
一方、自分は、どうせ誰からも愛されないと思う、
愛情を感じないなどの
その人の一生を通じて、不安定になってしまうような
大きな大きな問題の原因は、
親のネグレクトなどの無関心、
愛情はあるが入院や病気などで物理的に子どもを見れなかった、
そして、母性的愛情不足です。
寂しい時、かまって欲しい時に
人は、ゲームをしたくなります。
ゲームとは、心理ゲームのこと。
TA交流分析でいう「心理ゲーム」とは、
お互いが嫌な思いを味わって終わるやりとりのことです。
くりかえし人間関係をこじらせたり、
非建設的な結果を招いたりする
行動パターンのことを指します。
なぜゲームと呼ぶかと言うと、
このような行動パターンの裏には必ず、
おかしなルールと隠された目的が
潜んでいるからです。
「新しい交流分析の実際」
杉田峰康著より引用
だからもし、ある人との人間関係で、
くりかえし、
不快な気分を味わう時は
ゲームに巻き込まれているのかもしれません。
気付いたら、このままこのやりとりが続いたら、どうなるかを
徹底的に考えます。
気付きさえすれば、途中で止めることも可能ですし、
また同じゲームに巻き込まれなくて済むかもしれません。
ゲームは、家庭・学校・職場・友人、日常のあらゆる人間関係で演じられます。
夫婦、恋人、会社の上司と部下の間で、
同僚と、
親しい仲間との会話で
ゲームは、自分では気付かずに
無意識にしてしまうものです。
自分がゲームを相手に仕掛けることもあるし、
相手から仕掛けられることもあります。
不快な気分を味わった時に気がつきます。
代表的な二つのゲームをご紹介します。
キック・ミーのゲーム
(私を嫌ってくれ)……
挑発的な言動をして、
相手の拒絶や嫌悪や怒りを無意識に誘発するゲーム。
『私はOKでない・他者はOKである(自己否定・他者肯定)』
の基本的な構えを確認しようとしている。
自分に対する自信や肯定感が低いために
『自分が拒絶されて処罰されるべき人間』
であることを自己証明するかのように、
他者に対して挑発的な発言をしたり、
他者から否定されるような行動を取ったりしてしまう。
仲間割れのゲーム……
複数の他人に矛盾した情報を与えたり、
仲違いするような悪口を伝達すること。
それらの他人を対立させ喧嘩させようとするゲーム。
自分以外の複数の他者の間に仲間割れ(喧嘩・対立・嫌悪)を引き起こすことで、
『自己肯定・他者否定』の基本的な構えを確認しようとしている。
他人同士の仲が悪くなるような情報や悪口を吹き込んだり、
誰かの悪口を言っている人の嫌悪感を煽り立てるような告げ口をしたりするのが『仲間割れ』のゲーム。
このゲームを仕掛ける人は他人が醜く争い合う姿を見て
『人間関係や友情には大した価値がない』
という自らのネガティブな信念を補強しようとしている。