目に見えないもの…信じますか?
「サンタクロースっているんでしょうか?」
という本があります。
同名のタイトルの新聞の有名な社説が載っています。
当時8歳のヴァージニア・オハンロンが
ニューヨーク・サン編集部に
「サンタクロースはいるのですか」
という内容の手紙を送ったことから始まります。
手紙は、彼女が
「サンタクロースはいるのかどうか」について
友だちと意見を交わした時、
サンタクロースはいないという人がいるので
父親に尋ねた所、
父親は新聞社、ニューヨーク・サンに手紙を出すことを勧めて書かれたもの。
当時、ニューヨーク・サンの論説委員であったフランシス・チャーチは、
上司から、この質問についての社説を書くように頼まれ、
初めは当惑しながらも1日で手紙についての社説を書き上げた。
「Is there a Santa Claus?」
という題名で、投書してくれたことに対するお礼と
ヴァージニア・オハンロンからの手紙の内容を載せた後に、
「VIRGINIA, your little friends are wrong.
(ヴァージニア、あなたの友達は間違っています)」
の書き出しで始まり、
特に有名な
「Yes, Virginia, there is a Santa Claus.
(そうです、ヴァージニア、サンタクロースはいるのです)」
の一節を含む、
目に見えるものしか信じない悲しさと、
目に見えないものの確かさ、
不変さ、そしてそれを信じることの素晴らしさを説き、
サンタクロースの存在を支持するこの社説は
新聞のトップ記事に載り、
大きな反響を呼んだ。
ニューヨーク・サンはこの社説を、
同紙が発行されなくなる前年の1949年まで毎年、
クリスマスがくる度に掲載した。
その後、この話は社説が掲載されてから
100年以上を経た今でも、
クリスマスが近づくと世界中で語り継がれるものとなっています。
この手紙の現物が保管されているそう。
編集者さま: 私は8歳です。
私の何人かの友だちはサンタクロースはいないと言います。
パパは「サン新聞が言うことならそのとおりだ」と言います。
どうか私に本当のことを教えてください; サンタクロースはいるのでしょうか?
ヴァージジニア・オハンロン
115 西95番街
「サンタクロースっているんでしょうか?」
ニューヨーク・サン新聞「社説」,東 逸子,中村 妙子訳
偕成社
840円