木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

人工乾燥材

2009-06-20 21:07:08 | 木工
ステンドグラス入りドア
今回もブラックウォールナット材を使うことになり、木取りをしました。
手押し鉋で一面を平らにして、バンドソーで厚みに余裕を持たせて挽いたところ・・・


反りが・・・

一方木表側を挽いたものは・・・


半分に挽いたものは

いずれも、木裏、木表に関係なく内側に反ります。
人工乾燥で自然乾燥で到達する平衡含水率(15%~12%)以上に乾燥させた材(10%以下)が大気中の水分を吸い、材の外側の含水率が上がった結果ではないかと思われます。
問題は、この後の材の動きです。
新しく出た面が大気中に置かれることにより平衡含水率に達してこの反りが戻るのか、それともこの状態で固定してしまうのかです。
ちなみに反った内側に何度か水を付けてみましたが、それで戻ることはありませんでした。
通常の家具等でしたら材の組み合わせで動きを一定押さえることはできるのですが、建具の場合はそうはいきません。
しかもこのドアを注文してくださった野沢温泉パトロール隊員のSさんのお家は雪深い丹後。
こうなれば焦らず、幸い?明日あたりから雨が続くようですからしばらく湿気の高い状態の中で様子を見てから判断することにします。
Sさん少し遅れますがご容赦を。

木工をやっていて一番やっかい?なのがこの木の乾燥によるくるいです。
特に最近の冷暖房の入る室内では、平衡含水率が10%以下になってしまうということも起こります。
自然乾燥で十分乾燥した材でもくるいが生じます。もちろん、冷暖房がなくても日本の四季の中で12%から18%くらいの変化はあるようですが。
なかなか難しいですね。


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コメント
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