曲面で構成する椅子の部材の仕口の加工にはちょっとしたコツがいります。
部材の曲面を切り出す前に基準面を決めて墨を付け、ほぞ穴を開けたりほぞを切っておきます。
特に、後ろ脚や背束のように、材料節約のため一枚の板に並べて木取る場合は先にほぞを切っておかないと作業は大変難しくなります。
曲面は、バンドソーで切ります。切り口が荒いので、鉋しろを残して切断します。
これは肘掛けです。
笠木に円弧状にほぞ穴を掘るため、鉋でけずって基準面を仕上げ、
治具を使って角鑿盤で同心円状にほぞ穴を開けます。
一部を残して仕口の基本加工が済みました。
ここからは手作業が中心になります。
鉋で削って曲面を仕上げながら、それに合わせて大入れの穴を掘ったり、段欠きを作ったりしていきます。
好きな道具を使い、段取りを確認しながらの、ちょっと緊張感の伴う一番楽しい作業です。