木工芸・漆・道具        

 木肌の美しさに惹かれ、指物の伝統技術と道具に魅せられて・・・・・ 木工芸 市川 (宇治市炭山)

欅テーブル組立、塗装

2009-11-11 21:53:16 | 木工
今日は朝から雨。雨の止み間に工房の裏山を見ると


木々も色づいて、すっかり秋の装い。



欅のテーブルは、組立が終わり塗装に入りました。


オイル仕上げです。1回目はリボス社の「アルドボス」
最近はよくこれを使っています。まず、裏から。
オイルを塗り、拭き取る前に400番の耐水ペーパーで磨きます。
20分ほど置いて、布で拭き取ります。


次は表。 ひっくり返すのが一苦労。


反対側から。
居酒屋のテーブルなので、つまずいたりしないよう、脚は少し内側に付けました。
棚もつけて、ちょっとした荷物置き場に。

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欅テーブル 続き

2009-11-09 21:45:23 | 木工
制作中の欅のテーブル

仕上げ削りが終わった脚を、蟻桟に大入れで入れます。


こうすると強度や耐久性がぐっと高まります。


蟻桟も他の部材に合わせて側面と木口にわずかな丸みを付け、仕上げ削り。


次は天板の木口の仕上げ削り。

この段階で念のために仮組みしてみます。

棚板、貫と脚を組み立て


摺り桟に嵌めました。OKです。
これをまたはずすのが一苦労なのですが・・・。


最後に天板の表の仕上げ削り。この段階で逆目を起こしたくないので2枚刃の鉋を使いました。
千代鶴貞秀作淡路の夕凪の1寸6分。こんなややこしい材でもサクサクと削れます。


残っている入り皮の隙間にはこくそを埋めました。漆を少し交ぜて周辺の色に合わせました。




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京都の木地師

2009-11-08 22:58:30 | 木工
京都で彫刻刀などの打ち刃物を作っておられる今井さんに、元木地師の工房に連れて行っていただきました。

待ち合わせに時間に少し早かったので、近くの豊国神社へ行って見ました。

境内では、月1度の骨董市が開かれていました。

連れて行っていただいた先は、

山川ろくろ工芸
しかしこの山川さんもすでに数年前に仕事を辞められ、後を弟さんがついだもののその弟さんも2年ほど前には仕事を辞められています。


もう80歳を超えておられましたが、お元気で、仕事場だった家の中を見せていただいたり、いろいろお話をお聞きしました。


昔挽かれた金輪寺や棗の木地も見せていただきました。


この棗の木地は松ですが、実と蓋の杢を合わせるため、印籠の部分を欅の材を嵌めて作ってあります。
この薄さでくるいもなく見事としか言いようがありません。
今井さんの話では、京都市内にはもう、木地師と言われる人はほとんど残っていないそうです。
山川さんも、「京漆器と言いながら、木地は他府県で作っている」と嘆いておられました。
腕の良い職人さんがおられなくなってしまうのは本当にさびしいことです。


その後、入院している妻の病院へ行ってきました。
ヘルペス性角膜炎をしているのでその影響を心配していましたが、手術後の経過も順調とのことで安心しました。

病室の窓からは、京都の北山が見えました。木々も少しずつ色づいて来ています。

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大入れ

2009-11-07 21:26:01 | 木工
欅テーブル
貫を脚に接合するほぞは大入れにします。
なぜかというと、脚を胴張りにするためです。もちろんよりしっかりした接合になります。


まず、貫に鉋をかけ仕上げます。
木理が交差しているので、逆目を抜くのが大変でした。


仕上げ削りが住んだ貫を脚のほぞ穴に入れて、墨付けトリマーで深さを決めて荒堀します。
その後墨に沿って鑿で仕上げます。


曲線はこの極浅の出丸のみで仕上げます。


次は脚の鉋削り、胴張りに仕上げます。

脚も交差木理! 一瞬胴張りにしたことを後悔しました。 が・・・


仕上がったものを見ると、がんばろうという思いがふつふつとわいて来ます。

なぜ胴張りに削るのかということですが・・・もちろん平らでも何ら問題はありません。が、こうすることにより硬い雰囲気がちょっと和らぐのです。
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欅テーブル

2009-11-06 21:34:47 | 木工



欅テーブルの蟻桟が入りました。ちょっとごつかったかな?


もう1台も完了

2台を同時に制作しているので、その都度作業台に入れ替えなければなりません。
その時活躍するのがこれ


ハンドリフター。持ち上げることにより、狭い場所でも移動できます。


残っていた棚のほぞも完了。当初の予定通りの寸法でした。
これでほぞの加工はすべて完了。
次は胴張りと仕上げの鉋削りをしながら大入れの加工です。
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欅テーブル部材

2009-11-05 22:25:54 | 木工
制作中の欅のテーブル2台の部材


蟻桟4本 脚8本 貫4本 棚板2枚が揃いました。
天板の厚さに部材も揃えたので、すごい量になりました。

ちなみに

この手前の盤から蟻桟4本しか取れませんでした。


部材のほぞとほぞ穴の加工が完了


次は蟻桟を仕込む蟻溝。
途中まで掘ったところで今日は少し早めに仕事じまい。
妻が白内障の手術のため入院中なので、これから買い物をして帰り、夕飯を作らねばなりません。
昨日片目の手術が無事終了。一週間あけてもう一方の手術です。
手術自体は簡単な手術らしいのですが、その間入院が続くのでこちらはしばらく主婦業も兼業です。
今日の夕飯のメニューは何にしようか・・・・・

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秋祭り

2009-11-03 22:21:12 | 工房
工房のある炭山の里は秋たけなわ



今日は近くの八幡宮の秋祭り
朝から村の中を神輿が練り歩いていました。


昨日、町内会の役員もされている笹谷さんから「町内会費払っているんだからお昼食べにおいで」という電話をいただいたので、昼時お宮さんに行ってきました。
実は、炭山に工房を建てて12年になりますが、参加は初めてなのです。


お宮さんの前の広場は、町内の人で盛り上がっていました。


町内会の役員さんと女性会の皆さんの手で模擬店も出されていました。
早速、焼きそば、おでん、ぜんざい、ポップコーンなどいただきました。
秋空の元でおしゃべりをしながら食べるのは実においしいですね。


広場の一角では、「炭山自然と文化の会」(だったと思いますが)の皆さんの太鼓と笛の演奏もはじまりました。


子ども達も笛に合わせて踊り出しました。
子どもも大人も、地域一体となって秋の一日を楽しむ、本当にすばらしいことですね。

だんだん地元になじんでいく自分がいます。

今日はもう一つすばらしいことがありました。

自宅の近くの「トルヴェール・サロンHIROSE」で 「谷ひろし 人形劇と語りの世界」が開かれ、行ってきました。
人形劇団「京芸」の創立メンバーであり、稀代の人形美術家、演劇者として歩んで来られた谷ひろしさんの人形劇と語り。
ただ見るだけでなく、写真の撮影もさせていただきました。


はじめは人形劇の 「女の一生」


タマネギで作った人形と手で、日本の女性の一生を演じられました。


ファインダーをのぞいていて、どきっとするような悲哀に満ちた表情に感動しました。



人形劇の後は、娘さんのピアノ伴奏での、「ある島のきつね」の童話の語り
これもすばらしかったです。





谷さんの手になると、人形は生き生きとした表情で語り出すのです。

今回のつどいは、谷さんの技をビデオの記録に残すことを一つの目的に、トルヴェール・サロンHIROSEさんの協力で開かれたものですが、それに参加させていただき、谷さんの人形劇をこんな間近で鑑賞できたことはこの上ない幸せでした。

文化の日にふさわしいすばらしい一日でした。

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「一木一優」反省会・研修会

2009-11-02 21:40:05 | 木工
昨日は午後から「一木一優」の反省会・打ち上げおよび研修会が開かれました。


久しぶりに10名が集まり、時の経つのも忘れ、木工や漆談義。
工房は京都府の南から京都市の北の果て、さらには滋賀県と離ればなれですが、こうして集まるといつも木工や漆への熱い思いを語り合うことができ、仲間のいる喜びをつくづく感じます。

詳しくはこちらへ。

そして、私はIさんからこんなものをいただきました。

椎茸のほだ木です。


そのうちの1本はご覧のようにたくさんの椎茸が出ています。
これから数年、おいしい椎茸が食べられます。
Iさん、ありがとうございました。

制作中の欅のテーブルは

天板の割れの広がりを防ぐために契りを入れました。


天板が厚いので、契りも少し深く入れました。


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欅テーブル天板

2009-11-01 23:08:10 | 木工
しばらくブログには書いていませんでしたが、欅テーブルの制作も進んでいます。
ルーターで荒削り、厚さ決めが完了した欅のテーブル天板に鉋をかけました。


半分は全くの無節。大変きれいな板です。


同じ材を切ったのに、こちらは入り皮や節で荒々しい表情。
このままでは使いにくいので、埋木をする事にしました。


使った材は梅。梅で埋めました。


入り皮の細い部分は、自然の表情を残すために、こくそで埋めることにします。


裏はそのままで、固めることにし、鉋で仕上げました。


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