conparu blog

ささやかな身の回りの日常を書き綴ります。
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オリンピック残像

2021-08-09 21:52:08 | 随想

東京オリンピックも幾つかの感動シーンを残して、祭りの後の寂しさが漂う朝を迎えました。アスリートたちの、コロナ禍中に開催された東京オリンピックには、格別の思い入れもあったようで、勝利を競うのは当然だとしても主催国への温かい視線を感じた。アスリート自身も、コロナ感染の危惧をくぐり抜けてゲームに参加したのだから、それぞれの思いは重なり合う。何よりも東京オリンピックを開催してくれた日本への、感謝と労いの言葉が嬉しい。ボランティアの都民や医療者にとって、肩の荷が下りたことだろう。様々に感動を与えてくれた競技の中で、数えれば切りが無いのだけれど、ただ一つ上げるとすれば、マラソンのキプチョゲのゴールした後の眼差しが印象深かった。苦しみに耐え抜いた慈顔の奥には、優しさとやや憂いがこもる瞳が、現実の勝利を越えた地点を見ていたように思えたのである。キプチョゲは地味な存在にも拘わらず、私の中ではシンボル化した存在になった。始めのうちは冷めた気持ちでオリンピックを迎えていたが、アスリートの熱意に溶けたアイスクリームのように、角が取れていました。

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