犬の遠吠えもなく斜陽の陰りゆく時のなかで静かに鳴り響くものは何だろう野は春の息吹に包まれて小枝の芽吹きを喜んでいる刻々と来るであろう宴の予兆が大空を乳色に染めた眠りから覚めた「時」の醜い装いをただして過去の骸を弔ったのは何時か忘れものを探して朝夕にたぐり寄せるものは瑠璃色の潮騒の音かそれとも国事の争声か今はただ巡り来る春の従順な使者に敬意を表しよう
着流し老境者の独眼的随想集―自己との対話
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