△ワン・アンド・トゥ(2015年 アメリカ 90分)
原題 One & Two
監督 アンドリュー・ドロス・パレルモ
△超能力兄妹の旅立ち
清々しいくらいになんにも起こらない。
まあ、要するにこういうことだ。テレポーテーションの超能力を持った一族がいて、かれらは広大な土地を買い、そこに壁をはりめぐらせて19世紀から変わらない暮らしを続けてきた。たぶん、そのちからを持っていることがさまざまな災いを引き起こしてきたためだろう。
けれど、隔離された中での暮らしは徐々に一族を衰退させ、やがてたったひとつの家族しか残らなくなってしまった。父母兄妹の4人暮らしだ。けれど母は強迫神経症とでもいうのかともかく夜中になると息が詰まってやがて窒息死するんだけど、兄と妹はそのちからを楽しみながら暮らしてる。でも、ちからを使っちゃいけないって父親からは暴力的に叱られ続ける。妹は外の世界が見たいという。兄は父親のいうとおりにするという。しかし母の死の夜、父は娘を失神させ、ついにずた袋を顔にかぶせて、小舟に乗せ、川へ押し流す。要するに捨て子をしたのだ。
で、妹は壁の向こうの世界へ往くことができたわけだけど、結局、病院から脱走、養護施設に助けられるもそこも脱走、結局、現代の社会というか地方都市なんだけど、どうしたところで馴染めず、父親に棄てられたんだと揶揄もされ、結局のところ、越えることのできなかった壁を空中へいったんテレポーテーションしてふたたび地面にテレポーテーションするという荒業によって越え、やっぱり突然死した父親の死体を埋葬していた兄のもとへ帰ることができた。
けれど、ふたりはここで旅立ちを迎えるんだよね。社会に出て生きていこうとおもうわけですよ。で、思い出の古い家に火をかけて旅立とうとするわけだけど、こうやって書くとなんだかおもしろそうなんだけど、いやあ、なんていうかね。映像はさすがにこの処女作を撮った監督がカメラマンだけあって綺麗なんだけどな~。