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男はつらいよ おかえり 寅さん

2021年03月20日 16時09分47秒 | 邦画2019年

 △男はつらいよ おかえり 寅さん

 全作品観た者としては観ておかないといけないだろうし、まあ、いろいろおいといても寅の物語はちょうど僕の育ってきた時代と重なるしね。けど、デジタルカメラはあかんな。なにがなんでもフィルムで撮影せんと。たしかに過去の作品はデジタル処理されて鮮明にはなってるけど、やっぱり寅はフィルムで観たかった。それにしてもなんてまあ礼儀正しい娘なんだ。こんなにものわかりのいい子はいないんじゃないか?ていうか昭和のええとこのお嬢さんみたいな言葉づかいだし、とらやの人達のあいかわらずなお人好しぶりはすごいとしかいいようがない。そうおもっちゃう僕がとりかえしがつかないくらいひねてしまったんだろう。だけど、孫が柴又のホームに見送りにきたさくらの頬にキスしたときにはどういうしたらええんだとおもったわ。いるんだな~こんな家族が。孫娘は母親のかわりに洗濯してアイロンまでかけて、しかも作家になった博の子みつおと話をするときの丁寧さ、それと結婚は愛し合うからするんじゃないのと真正面に父親に話せるすごい照れのなさとひたむきさはなんとも感想のいいようがない。しかもこの孫娘をキミと呼ぶみつおとか、ぼくには考えられない表現だ。へ~。後藤久美子、国連かなにかで働いてて上流な感じがぷんぷんなのに本屋で本を入れる籠を床に置くのね。その籠の底は拭かずにカウンターに乗せるわけでしょ?ちょっとな~。けど、さすが山田洋次、目が覚めるような編集もある。源公が鐘を叩くんだけど昔のカットかと一瞬おもえば欄干につらそうにもたれかかって息をついたかとおもえば、吉岡秀隆のナレーションがかぶさってつぎつぎに過去と現在の茶の間の食事が繋がってくる。ここは上手かった。尾羽うちからして病院を終の棲家にしている橋爪功が二万円せびるのも上手いし、夏木マリのスカイライン狙いの帰り道のくだりも上手だった。けど相変わらず会うたびに抱き合うのはやめてほしいけどね。日本人はこれ下手なんだから。だけど、いくら回想とシンクロさせたいからって空港でいきなり奥さんが死んでることを告白させて接吻までさせるのはどうよ?さくらとひろしの心配そのまんまやん。でもまあこれはこれでいいか。

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