Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

セカンドライフ sonicmart制作記11.

2007年09月04日 | Design&3DCG
 1週ほど建築学会の大会で九州へ出張していた故、ブログは休んでいた。今日はテクスチャーについてメモしておこう。
 このマナティー・リゾートで、私達は、実はあまりギミックなテクスチャーを用いていない。その分オブジェクトの構成によって立体的な建築ファサードを制作している。こうした制作方法は、実際の建築デザインにおける3DCG制作の現場では当たり前の話なのだが・・・
 セカンドライフ(SL)で多用される方法は、石造の壁や窓といった建築ファサードは、テクスチャー(建築外観写真を、そのまま貼り付けるといった2D扱いテクスチャー)とし、一体制作したほうが、簡単且つプリム数が低減できる。たが、それでは、建築の立体感が失われ、また3DCGにする意味がまったくない。 そうであれば、従来のWEBでよいだろう。
 さらに3D世界に2D扱いテクスチャーを混在させると、人間の知覚は、同質の環境素材としては認知されず、むしろそれらを見分けてしまう。それが本来の屋根材を意味するのか、写真を貼り付けた屋根材風なのかといった具合にである。典型的なのは日本瓦の屋根であろう。これをオブジェクトで制作すると相当数のプリムが必要になるがリアリティは表現できる。といって写真を貼り付けた屋根瓦風テクスチャーでは、全く屋根には見えない。私達が3DCG本来の制作方法を用いたのも、そうした理由からである。・・
 といいつつもSLではプリム数に制約があるので、どこまでを3DCGとし、どこからを2D的扱いとするかといった見極めが、制作ポイントになってくる。そうした見極め時の判断は、環境としてのリアリティある風景としてある程度表現できるか、どうかである。私達は、それをファーストライフで仕事をしてきた経験で判断した。結果としてギミックなテクスチャーは、必要最小限の使用となっている。
 上図のRed Cottageと呼んでいる建築では、木質素材は凹凸が少ないので、木質風テクスチャーを用いた。だがテラスと室内に敷かれた簀の子状の床は、テクスチャー貼り付けではなく、1枚1枚をオブジェクトで制作している。従ってこの床を下から見上げると、板と板の隙間から、空などの風景をうかがうことができる。もし光があれば、簀の子の板の隙間から光が差し込んでくるだろう。
 しかし、プリム数の制約から、簀の子の床は下から見上げる可能性が高いテラスのみに利用し、室内はフラットな1枚板状の床に、やむなく置き換えてしまった。この辺がSLの3DCGの辛いところである。
 
補足:日本建築の瓦屋根は辛そうだね!・・・1枚毎にオブジェクトで造る・・最低2プリム必要で、屋根全体で・・・と考えると屋根が重たいというか・・サーバが重たいというべきか・・。といって瓦風テクスチャーでは立体感に欠落し、今時のデッサン力に秀でている劇画以下だ!!。実は建築3DCGの現場では、こういう場合の扱い方があるのだが!!!・・・・・。
 最良で簡単な方法は、発想を変えること。日本建築=瓦屋根といったステレオタイプ化した考え方をやめること。3DCGに適合した最適形態を持った屋根は、日本建築様式を探ればすぐにみつかるだろう。
コメント
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