Creator's Blog,record of the Designer's thinking

フィールドワークの映像、ドローイングとマーケティング手法を用いた小説、エッセイで、撮り、描き、書いてます。

エッセイ701. 国立国会図書館関西館

2024年03月26日 | field work



 昨年末に精華町の国会図書館へ行かざるを得ない仕事が出来た。関西館は博士論文や報告書の類いを収蔵しているから、論文執筆族には便利なのである。もちろん私の博士論文だって収蔵されている。
 そこで大阪梅田、学園都市線で祝園、京都と調度三角形の頂点を回る1日仕事だった。
 国会図書館にたどり着くと、この建築家は誰だったかな。どうも谷口吉生さんのデザインのようでありながら、子細に見るとプランニングが複雑だしディテールもクラシックな空気が漂う。これは少し違うよな。調べたら陶器二三雄さんだった。第一工房時代には、東京都立中央図書館も手がけているから、そんなキャリアが評価されたのか。
 私が関心をもったのは、彼らが何処の大学で勉強したかだ。調べたら陶器さんはイタリア国立ヴェネツィア建築大学修復課程修了とヨーロッパ系。どうりでクラシックな空気が漂う。他方で谷口吉生さんは 慶應義塾大学工学部機械工学科卒業で、その後ハーバード大学で学び、学位はMaster of Architectureだ。世界で最もトレンディな建築スクールを修了している。
 奇しくも国会図書館のデザインを見ながら、かたやヨーロッパ、かたやアメリカ系と対照的な建築家を思い出していた。因みに東京本館の建築設計は、あの前川国男である。
 建築は文化だから、後世の人間達から興隆を極めた20世紀につくられた建築が少ないではないか。経済しか考えてこなかった歴代上まれな文化不毛の時代だったと後世の人間達から笑われないようにしたいですね。
 しかし食堂のメニューが少なく残念だったな。寿司まである東京本館にはかなわないな。

iPhon13pro
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