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十勝川水系S川支流SSK川上流域に生き残ったオショロコマの運命は風前の灯火。
20XX年8月6日。
今日は朝早く出て朝食前に支流の一つを調べてみようと話していたのだが、疲れていたせいか全員寝過ごしてしまった。
前述のごとく奇跡のように妻の膝の痛みが消え、この温泉の威力を信じざるを得なかった。
のんびり朝風呂に入って、相変わらずとてもまずい朝食を食べ秘湯KNN温泉を8時15分出発。十勝川水系S川支流SSK川上流域へ向かう。
このあたりはずいぶん人気のある釣り場らしく、すでにあちこちに釣り人の車が入っており確認しただけでなんと合計7台。
こんなに遅い時間から入渓しても釣り果はまず期待できない。
ヒグマを恐れ釣り人が入って行きにくく、入渓にはちょっと度胸を要する水域を狙うしかなかった。

オショロコマは、やはり昨年6月よりかなり少なく、しかもすれていた。姿を見られるとまず釣れない。





それでもなんとか20匹ほどを釣って撮影する事が出来た。












今日撮影した支流の個体群には一定の特徴がある。色調はやや暗い黄褐色調で腹部やヒレは無色から薄いオレンジで着色は余り強くない。
栄養状態は良好でヒルや線虫の寄生はない。赤点紋理はやや大きめで数は少なく色には鮮やかさがない。
パーマークはメリハリがなくぼけている。背部虫食い紋理は目立たない。
美しいとはいえないが、この渓流独特の個体群と言える。







この川の近くには人気のキャンプサイトや温泉などが多く、下流域にはニジマスも多数放流され夏休み時期のせいもあり釣り人は相当に多いようだ。
このままでゆけば近い将来、この水系のオショロコマがほとんど釣りきられてしまうことはまず確実と思われる。
あまりにも釣り人が多いので、この川に関しては林道のゲート管理などの手法で、川を休ませるような工夫も必要ではないかと考えられた。
また、下流域ですでに既存の生態系が破壊されきった水域にもっと本格的なニジマス放流釣り場をつくることは、さしせまったオショロコマの消滅を先送りできる可能性があり、いわゆる渓流釣りを満喫したい多くの方々にとっても嬉しいことではなかろうか。
キャンパーや一般の釣り人たちは釣り味最低、食べてもまずい在来種オショロコマよりも、猛烈ファイト、食べておいしい外来魚ニジマスのほうを遙かに好むと思う。
本日撮影させてもらった貴重なオショロコマたちはすべてとりわけ丁寧にリリースした。

昨年(20XX年6月25日)にもこの川のオショロコマ撮影に入ったことがある。そのとき、最上流域の水域にはとても美しい黄色いオショロコマが生息していた。かなり黄色調の強い個体群で強く印象に残っていた。今回、真っ先にその水域に入ったのだが、そこにはオショロコマそのものがいなくなっていた。昨年もかなりの釣り人の痕跡があったので、圧倒的な釣り圧の影響で、恐らく完全に釣りきられたのだと思う。
それにしても、こんなにも渓流釣り愛好者が多い十勝帯広方面で、地元の貴重な在来種オショロコマがどんどん消えてゆくことに誰一人として反応しないのは一体どういうことなのだろうか。現状を見る限り、釣るのは恐らく大好きに違いない。彼らにとってオショロコマはそれほどまでに、どうでもよい存在ではないと思うのだが.......。 私自身も、各地の水系でそこの固有のオショロコマがどんどん消滅しつつある現状を見ながらも、かといって具体的にはどうすることも出来ないでいる。
しかし確実なのは、私のブログをみて食べるためにオショロコマを魚籠一杯釣るような人が激減していることは実感される。 また釣っても丁寧にリリースしてくれているという人や オショロコマ棲息域に侵入したニジマス駆除に燃えている釣り人が現れるなど、現状のご理解、ご協力をはっきりした手応えとして感じています。 本当に感謝しています。

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