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20XX-9-20 衰退する斜里川水系のオショロコマ
かって斜里川はイトウの宝庫であったが、狂気のごとく建造された多数のダム群と河川改良????工事、その他人間の営みに由来する様々の原因のため、今では産卵可能なイトウは全斜里川でも数ペア程度と目されている。斜里川のイトウを守ろうとする行動は斜里川を考える会を中心に地道に続けられてはいるが、このままでは斜里川のイトウが消えてゆくのは時間の問題だ。
同様に斜里川のオショロコマが危ない。かってのオショロコマ、ヤマベの宝庫斜里川も同様の理由で今は見る影もなく、渓流魚の衰退著しい。
一方、斜里川のオショロコマは、いくつかの水域ではまあまあの個体数が生き残り、場所によっては、今でもそれなりに生息している水域もある。ただ斜里川平野部水系支流のオショロコマの激減ぶりはこの10年ほど目に余る。これは40年前から継続的に斜里川水系の渓流魚釣りをしている私たちにしか実感できないことは言うまでもない。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/56/76/b82530750849ea4b428a65af8badeb29.jpg)
斜里川上流域で見られる、ヒレや体側に黒色斑がでた異常個体。
個体数が激減しただけではなく、ダムに由来する生息環境の悪化で深刻な水カビ病など病気の発生と、生息域をせばめられ血が濃くなったことによる遺伝的問題が起こってきている。ダム湖による水温上昇や、ダムや魚道周辺に堆積・腐敗するヘドロが水カビ病発生に関与しているかも知れない。水カビ病なのかどうかも病理組織学的に調べる必要があるが、これにやられたオショロコマの悲惨さは目にあまる。同様の現象は最近造られた知床の魚道付きダム周辺でも顕著に見られるところがある。
また異常に淡水ヒルの寄生が多い水域もある(ただ淡水ヒル寄生でオショロコマが特段弱っているようには見えないが)。
個体群が弱体化した現在では釣り圧も相当に効いているだろう。
かって斜里川のイトウを1000本以上釣ったと豪語している人を知っているが彼が現役のころ、斜里川のイトウがいなくなるなどと考えた人は唯の一人もいなかったという。大型個体は別としてイトウはいくらでもいた。同様に、斜里川水系のオショロコマが将来いなくなるかも知れないなどと考える人は、今のところ私以外には唯の一人もいないだろう。
近い将来、もはやそれは多くの意味合いで避けられないかも知れない。絶滅寸前の本州方面の在来イワナやキリクチなどと同じく、なんとかしたいと思っても将来的には、きっとどうすることもできないだろう。
今現在、地球上の生き物(種)が毎日毎日ものすごい勢いで絶滅しつつあるという。
その勢いは日本各地の渓流においても同じだとおもう。
自然保護だ。絶滅危惧種を救おう。採集(捕獲)禁止にしよう。ワシントン条約に指定しよう。絶滅危惧種に指定しよう。外来種が在来種を滅ぼすのをくい止めよう。我々人間は環境破壊を防がなければならない、etc...と声高に叫ぶのは、宇宙人がみればお笑いだ。傲慢のきわみとも思われるだろう。
何故なら我々人間は宇宙人? の目から見れば単なる地球上の最も悪食・最悪の生き物の一つに過ぎないからだ。繁栄していた恐竜消滅の事例はちょっと大げさとしても、地球の自然は本来すざまじい勢いで変化・流動してゆく危ういもので、今地球上で起こっていることなどは長い地球の歴史からみれば、さほど騒ぎだてするほどのものではないだろう。
とはいえ私たちは、今ある自分たちに好ましい自然が悪い方向に変化してゆくのは耐えられない。
さて、飛躍してしまった話を渓流魚にもどします。
ここまで魚が減ってしまった現在では、Native のイワナを求めて源流域まで次から次へと釣り登る猛烈釣り師たちが、かろうじて生き残っている渓流魚に与える影響は外来魚放流・養殖魚放流やダム建造の比では無いかも知れないと自問自答している釣り人も少なくないかも知れません(私も含めて)。
魚が減った最大の理由は別のところにあるにせよ、私自身は残り少なくなった在来渓流魚に最後のトドメを刺す釣り人にはなりたくないと思っている。
私自身は、オショロコマの森第一巻知床編を出版したり、このブログを始めたり、単に消えゆくことを前提にオショロコマの撮影をしているのもちょっと複雑な気持ちです。
私としては、オショロコマを食べるために釣るのは今現在となっては当面控えてほしいこと、釣っても丁寧にリリースして下さることをお願いすることくらいしかありません。また一般の人々にはほとんど知られていないオショロコマの知名度を、さらにアップさせることも大切と考えています。
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