

無制限・やりたい放題のニジマス放流に対し、適切な指導をお願いします。

これは2015年5月22日に山梨県の南アルプスに蝶の観察に出かけた森一弘さんが、とある渓流で撮影したものです。ニジマスのキャッチアンドリリース区間設定と似ていますが、在来種ヤマトイワナを大切におもうところが北海道と決定的な違いです。
南アルプス一帯では、かって豊富に棲息していたヤマトイワナは種々の理由で激減、釣り人たちは特に大切にしています。
誰でもところかまわず無制限・やりたい放題にせっせとニジマスを放流している北海道と異なり、現在では在来イワナの生息水域に外来種を放すなどまったく考えられない状況です。
無制限・やりたい放題のニジマス放流に対し、適切な指導ひとつ行えないでいる道や、今回の外来種対策検討委員会のおよび腰(恐らく無知に由来する)には心底失望する声しかありません。
渓流魚に関しては、欧米ではすでに長期的展望にたって十分な検討がかさねられた結果、人間中心の資源管理から在来魚中心の資源管理 へと大きくシフトして久しくなります。
目先の多少の利益よりも、そのほうが人間の将来にとって大切と判断したわけです。
そのような世界の趨勢を知ってか知らずか、今回ニジマスの取り扱いにつき検討された方々の見識の低さ、志の無さには心底失望した人が多いのではないでしょうか。
北海道ではオショロコマが各地でヤマトイワナと似たような状況に陥っていますが、南アルプスとは雲泥のひどい扱いを受けているのが現状です。
北海道の未来にとって 美しいオショロコマの棲む生態系そのもの がかけがえのない宝です。
完全に絶滅寸前になってはじめて、やにわに宝物とあがめだすこれまでの愚は避けたいところです。
何万年にもわたって精緻な生態系を築いてきたオショロコマたちが、一部のニジマス釣り愛好家のはかない欲望のために、この数十年という短時間の間に、あっという間にこの世から消えようとしている水系があります。
関係の各位はぜひこれをあえて無視・看過せず、適切な対応を行ってくださるようお願いいたします。
道に対し、ニジマス放流ライセンス制とニジマス放流可能水域の設定についても、重ねてご検討お願い申し上げます。
オショロコマの棲息水域や上流にオショロコマが棲む渓流には決してニジマスを放流してはいけない。アメマス(エゾイワナ)、天然ヤマベ、イトウの生息水域についても同様である。
ニジマスの害については本州でも心を痛めている方がおられます。是非ご参考にしてください。

