

キャッチアンドリリースの果て、針かかりについて
201X-6-15(金) 晴れ 暖かい
大きなたまりで川底に30cmほどのニジマス♂の比較的新しい死体が沈んでいた。




苦労して回収し、検屍してみると一心房一心室の心臓付近に恐らくルアー針による大きな損傷があり、その穴から血液がじわっとにじんできた。
リリース時には元気に川へ戻って行ったかも知れないが、この傷が致命傷で出血多量であえなく死んだもよう。
キャッチアンドリリースのつもりだろうが、こんな重症を負わせてしまったら、生存の可能性はゼロだ。

むしろ食べてあげたほうが良かったと思う。
もしくは釣り針をそのままにしてハリスを切って放流すると多少の生存の可能性が残るかも知れないが、ルアーでは無理か。
このブログでは リリース の言葉がよく出てきますが、実は生存の可能性を担保できる針かかりで釣り上げるには相当な熟練が必要だと思います。
そのような浅い針かかりを期す為には、そうとう軽い当たり( くっ )で合わせたり、道糸のかすかな動きの変化で合わせることが肝要です。
ぐんっグンっといったまともな当たりであわせると、普通は深々がっぷりと呑まれており、リリースしても無駄といった悲惨な針かかりになっています。
釣り方としては所謂誘い釣りをすると呑まれる確率が高くなります。
また、そこの渓流魚のサイズにあわせた大きさの釣り針を用い、時にはバーブレスの針(ペンチで返しをつぶす)の使用も検討することが必要です。
エラに針が刺さったり水中で明らかな出血をみる場合はきっと死ぬと思います。
トラウトの脳は比較的後方にあり、最初のエラより口側の部分に浅く針かかりする場合はリリース後生存の可能性を担保できると思っています。
ただ、[ 勝手に釣れてくるニジマスたち] で述べたように渓流魚の場合は何故か異常に活性が高くなることがあり、そのような場合は呑まれる確率が高まります。
そんな時は単なる殺戮をしているような気持ちになってしまい釣りを止めることがあります。
一方、食べる目的でおいしいヤマベを釣る場合はこの限りではありません。
キャッチアンドリリースの後の魚の生存か死亡かを決める要因には実に多数のものがあります。
単に針かかりのみに気をつけても魚に与えるストレスの大小、魚へのさわり方、酸欠状態の長短、その他色々の要因が重なり合って、リリース後の渓流魚の運命が決まります。
今回は、最も大きな要因、針かかりの状態につき考案してみました。
釣り終わって、川から林道まで深い森のなかを100mほど歩いた。途中で泥沼、湿地があって歩きにくかった。

