デューク・アドリブ帖

超絶変態ジャズマニア『デューク・M』の独断と偏見と毒舌のアドリブ帖です。縦横無尽、天衣無縫、支離滅裂な展開です。

SWING 2024

2024-01-07 08:25:27 | Weblog
 明けましておめでとうございます。昨年は16本の更新でしたが、毎日多くの方にご覧いただきました。感謝申し上げます。訃報記事が中心でしたので、長くジャズを聴き、ジャズマンを愛している方は寂しさを感じたことでしょう。また、忘れかけていたミュージシャンも話題にしました。これを機に聴き直された方もいるかも知れません。そこからジャズの世界が一段と広がるならブログ冥利に尽きます。

 正月ですのでジャケットで遊びましょう。僭越ながら私が一番上におります。赤いマフラーが似合うのはバンドリーダーでドラマーの佐々木慶一さんです。天に抜けるシンバルの一音、空を切るスネアの一打、地に響くバスドラムの一撃、絶妙です。ベーシストはこの福笑いジャケットを作った鈴木由一さんです。太く低く唸るベースラインにゾクゾクします。そして店の管理は勿論のこと黒岩静枝さんのスケジュールまでこなすギタリストの志藤奨さんです。シンガーを盛り立てるさり気ないフレーズは見事です。私が隠れ家にしているジャズスポット「DAY BY DAY」の素敵なメンバーです。

 元のジャケットはジェリー・マリガン・カルテットのストーリーヴィル・ライブ盤です。ビル・エヴァンスとデュオ・アルバムを作るほどのピアノの名手でもあるバルブ・トロンボーンのボブ・ブルックマイヤー、ベースは「さよならバードランド」の著作もあるビル・クロウ、ドラムは飛行機のエンジニアとしても知られるデイヴ・ベイリー。低音楽器の組み合せで、しかもピアノレス。重量感のある変則編成ながら編曲の妙もあり、分厚いハーモニーから飛び出す迫力あるアドリブに酔いしれます。バリトン・サックスの音色の深さと流れるようなソロを存分に楽しめるアルバムです。

 ジャズは50年代にピークを迎え、モダンジャズで完成されたと言われますが、70年経った今も進化しているのは間違いないでしょう。才能ある若手も次から次へとデビューしています。そこから新しい形の音楽が生まれるかも知れません。今年は伝統を重んじるのは勿論ですが、新しいジャズに目を向けようと思っています。不定期の更新になりますが、時折アクセスしていただければ幸いです。
コメント (10)
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