コタツ評論

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日本の報道不在

2022-03-08 22:46:00 | 政治
ツイッターから転載

#Swiss #journalist Guillaume #Briquet wounded and hospitalized in #Mykolaiv region, South-East Ukraine 🇺🇦.

#Russian #military fired at his car marked PRESS, confiscated his passport, 3,000 euros in cash, a laptop and additional material.による英語からの翻訳#Swiss

#journalistギヨーム#Briquetが負傷し、ウクライナ南東部の#Mykolaiv地域に入院🇺🇦 。

#Russian #military PRESSと記された彼の車に発砲し、パスポート、現金3,000ユーロ、ラップトップ、および追加資料を没収しました。




彼の写真を見てください。どう見ても60歳を過ぎています。胸のpressカードにはアラビア語も併記されています。つまり、中東の戦地も経験した戦争報道のベテランです。

日本のメディア記者は最前線にはいません。これは何も今回のウクライナ戦争に始まったことではなく、昔からそうですが。

YouTubeでは、「press‼︎」と何度も叫んでいるのにロシア軍から執拗な銃撃を受けて、悲鳴を上げながら車の中で身を伏せているイギリスの記者たちの動画が上がっています。

ウクライナの地方都市では侵略して占領しているロシア軍の前に出て、数10人の市民たちが集まって抗議している動画もあります。武装したロシア兵に徒手空拳で対峙しているのです。何という恐ろしいデモでしょうか。

ロシアでは5,000人規模のデモが行われ、数千人規模で逮捕されているそうです。これもツイッターからの転載です。

ホドルコフスキー、チェスのカスパーロフ、経済学者、実業家らがロシア反戦委員会を結成し、「全ロシアが戦争に反対する」というデモを呼びかけている。「集まるのは危険だ。だが、爆弾を浴びている人々はもっと危険だ」「護送車の人数が多ければ多いほど、ウクライナで死体の数が減るのだ」と。


ちょうど、戦争によって武器や兵器が進化し、科学技術が発展するように、戦争の悲惨は文化と芸術を押し上げるようです。人間の精神の到達点を示してくれる、魂の在り処を教えてくれると言い換えてもいいのですが。

魂がどうのこうので締めては柄にもないので、お金の話を。

プーチンは戦死(あくまでも「特別軍事行動」であって、ウクライナと戦争していると報道したりすると、虚偽を流したと処罰できる法律に大統領署名したそうです)した兵士に、11,000円(相当のルーブル)の慰労金を支払うそうです。これに対し、ウクライナ政府は降伏したロシア兵に、500万円(相当のドル)支払うと発表したそうです。世界中から募金が集まっているからですね。

孫正義が100億円、三木谷が10億円、ウクライナのために拠出したそうで、一般国民からも続々、ウクライナ大使館や国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)に募金が寄せられているといいます。NHKや民放がウクライナ支援デモや反戦デモを、連日報じているせいでしょう。

まったく結構なことではありません。デモといえば、この国のネット民は、「プロ市民」と悪し様に罵り、過激派と呼び、お花畑と嘲り、出くわせば傍迷惑と舌打ちしてきました。

マスコミも、たとえば、沖縄の反戦デモや原発反対デモ、核兵器廃絶デモなど、あらゆるデモや集会をほとんど無視して、報道してきませんでした。安倍首相が遊説したとき、「安倍帰れ!」とヤジを飛ばした数人を警察が排除しても問題にすらしませんでした。

いったいどういう風の吹き回しでしょう。最近はそういうのが流行っているのでしょうか?

(止め)



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日曜討論

2022-03-06 14:38:00 | 政治

シェルターの床で寝るキエフの子供たち

TV受像機がなくとも受信料を取ろうしているNHKをはじめ、「ウクライナはすぐに降伏してNATOはプーチンに譲歩せよ」、「日本はアメリカと核共有を」などと放言する橋下徹などの無責任なコメントでニュース番組をつくっている民放は、戦地ウクライナに記者を残していない。

60歳を越えた元モスクワ支局長の金平茂紀を「報道特集」のために派遣したTV朝日は少しはマシだが、CNNやBBCなど欧米のメディアは、イラク戦争時と同様に最前線に記者たちを送り、ロシア軍の銃弾に身を伏せながら取材を続けている。

嫌味として繰り返すが、NHKをはじめ民放各局は、彼ら欧米のジャーナリストたちが命がけで撮ってきた映像や情報を買って流しているに過ぎない。したがって、最新の生の情報に接する機会は我々には限られている。

そんな情報の空白を補うには格好なウクライナの日本語ポータルサイトができていた。

ウクライナのマルチメディア報道プラットフォーム
https://www.ukrinform.jp

プーチンのロシアが「興国」を果たした中国に比べて、「再興」どころか、経済的には衰退の一途を辿ってきた責任の一端は、西側にもあるのだという論考である(その結果、ロシアの国防予算は韓国並みに過ぎない)。

非専門の地理学者でも、これくらいバランスのとれた論説が書けるところが、いまだに欧米の知性や読者の理性を仰ぎ見るところだ。

そうか、欧米の新自由主義者たちの食い物になったのか。トヨタがロシアに初の工場新設を発表をしたとき、プーチンがいかにも嬉しそうに豊田章男社長と握手していた姿が思い出される。

ウクライナ侵攻に関する英国の地理学者デヴィッド・ハーヴェイの論説https://pegasus1.blog.ss-blog.jp/2022-03-02

キッシンジャー98歳にして、この冷徹な現状認識と展望には舌を巻く。「誰かの満足ではなく、バランスの取れた不満を目指せるかが重要」(これは外交に限らず民主制の基本でもある)。

8年前の提言だが、「ウクライナはロシアと欧州の橋渡し役になるべき」とは今後もさらに必要な視座だろう。東西どちら側に属しても、「ウクライナが争いの最前線であることに変わりはないからだ」。

併せて、91歳ゴルバチョフ氏の「早急な平和交渉を」というアピールも、メディアや研究者とは一味違う政治家ならでは有益な言説がある。



キッシンジャー “8年前の提言” 「ある原則」の欠如がウクライナでの対立を深めるだろうhttps://news.yahoo.co.jp/articles/7f30e1b12317627d7ac313ab902db954a7496eda

世界のいろいろな知性が勇気を奮って核戦争を止めようと人々の理性に訴えかけているときに、情けないことに日本では、理性と勇気を投げ捨てた知性のニュースを見かけた。個人的には、「金沢大学ってそゆところだよ」と驚かなかったが。

金沢大学が准教授に「不可解すぎる懲戒処分」…いま名門大で起きている「異常事態」の全容https://news.yahoo.co.jp/articles/f87f5ced8b35c39af89df2f789c2b0f9d30f9c2c

(止め)

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フェイク イット

2022-03-05 23:57:00 | 政治


数ヶ月前から、この文言をあちらこちらのツイッターで見かける。いまだに出典が出ないところをみると、そんなカナダの大学など存在しない、フェイクの可能性が高いのだが、その指摘は仰るとおりである。なぜ、そうなったかといえば、もちろん、竹中平蔵やアベノミクスのせいではなく、国民の政治への無関心から、といえば聞こえがよすぎで、「長芋にはマカレナ」の国民精神によるものだろう。



(止め)
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ファイトのファクトとフェイク

2022-03-05 01:37:00 | 政治


ヘビー級3団体統一王者のアレクサンドル・ウシク(上写真右端)もウクライナ 軍に入隊したそうだ。元ライト級団体統一王者のワシル・ロマチェンコ(下写真左)もすでに入隊済みという。

二人とも、ボクシングファンなら不世出のボクサーであることをよく知っているが、写真に写る様子は「徴兵」された、歳を食った「補充兵」のようだ。少し不安げなその傍らに、威圧的で屈強な男たちが立っている。彼らはいかにも右翼タカ派の民族主義者のように見える。

ウクライナ侵攻をロシアのテレビで見る まったく別の話がそこに
https://www.bbc.com/japanese/features-and-analysis-60614298

ロシアのTVニュースではTV塔を攻撃しているのは、ロシア軍ではなくウクライナ軍だそうだ。ネットが洗脳装置として有効であることはよく知られているが、反戦の輪を広げるなかで好戦的気分も醸成している。反ロシアにいきり立つということだけでなく、ウクライナ軍の善戦やその国民の奮闘に、同情を越えて陶酔してしまうこともまた危険なものだ。

人が殺し殺される悲惨な現実からも、ドキドキワクワクウットリするアニメのような場面を見出すことはできる。俺がアニメを好まない理由が、世代的に遅れたというだけでなく、その暴力的なまでの扇情性に逡巡していたことが今回よくわかった。

中国ネットはウクライナ侵攻支持 「ロシア転覆なら矛先は中国へ」
https://www.sankei.com/article/20220302-XSZQO3TNOFLLLCTX6ABV6CV56I/

「国際社会」は中露の覇権主義や恫喝的姿勢に不安と恐怖を感じて、プーチンや習近平の言動に注目してきた。ところが、彼ら中露は欧米の軍事力以上に民主主義の「侵攻」に怯えてきた。彼らの方がより「被害者意識」が強いからこそ、中国ネット民は、プーチンのウクライナ開戦演説に、「感動」するわけだ。

ちょうど、かつての日本人が「米英二開戦セリ」というラジオ放送を聴いたとき、朝野こぞって、「暗雲を吹き払って青空を仰ぐような晴れやかな気持ちになった」(竹内好)と同じである。経済制裁、外交圧力、国際的批判など、非軍事的な圧力が、軍事行動以上に有効であることをあらためて証している。

中露の指導者は共にソ連崩壊という直近の実例から「亡国」を学び、中国はその後31年を経て「興国」を達成したが、プーチンのロシアは「再興」を果たせなかった。それは31年中22年間を独裁してきたプーチンの責任ではなく、何より欧米の経済制裁、外交圧力、国際的批判などによる抑圧のためとするのだ。

ロシア国営通信が「勝利記事」の予定稿を誤送信! その署名記事でバレた「プーチンの真の狙い」
https://courrier.jp/columns/280659/

手の込んだロシアのディスインフォメーションかと思ったが、どうも本物らしい。あるいは、誰かが故意に誤送信したのかもしれない。いずれにしろ、プーチンのルサンチマンがどういうものか窺い知れる。

(止め)



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デビルズグラットニー

2022-03-01 13:08:00 | 政治


私も含めて、ロシアのウクライナ侵略に関する文章はなぜか浮き足立っている気がする。香港にもミャンマーにもほとんど動揺しなかったのに。戦術核が使われるかもしれないという恐怖からなのか。あるいは、このロシアの文学者が指摘するような、イデオロギーとは接しない感情に基づくファシズムへ惹き寄せられているのか。心の深いところに楔を打ち込まれたような論考だった。

【緊急掲載】戦争という完全な悪に対峙するhttps://note.com/iwanaminote/n/n3d5608b53e10

(止め)
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