パソコンは猿仕事(小田島 隆 小学館文庫)
なにせ、1999年刊、Win95を巡るオヤジ対オタクが語られるのである。ピッチと携帯以前のポケットベルにダイヤル式の黒電話が語られるのである。しかし、その視点はちっとも古びていないどころか、おもしろいのである。にやりとするのである。パソコン誌に連載されたエッセイをまとめたのかと思ったが、意外なことに書き下ろしなのである。しかし、気負いや踏ん張りはため息ほどもないのである。軽く書き流した風なのである。たいした作家である。マックライフ元編集長の解説が正しいのである。ビル・ゲイツやスティーブン・ジョブズが「落ちこぼれ」だったのは有名だが、それに呼応して次々に創刊されたパソコン誌の編集者やライターも「落ちこぼれ」が集まったというのである。そのなかで、小田島隆は「締め切り破り」として、有名だったというのである。仕事の納期を守らないとは言語道断。二度と仕事が来ないのが普通なのに、小田島隆は今も生き残っているのである。その理由を述べながら、パソコンの隆盛と共に業界に居ついた小田島と自らの自分史もからめているのである。付録ではなく独立した読み物になっているのである。エッセイもその解説も、一見、軽くみえるが、この肩の力が抜けるというのが、大変な力技でもあるのだ。
信長と十字架(立花京子 集英社新書)
-「天下布武」の真実を追う
数年前に話題となった新刊が文庫化された本書は、乱世の英雄・信長の通説を覆す、キリシタンバテレンとの密接な関係を提示する斬新な視点というだけでなく、カルチャーセンターからアカデミシャンになったという破天荒な立場から書いているだけに、気負いも踏ん張りも余るほどある。まだ、半読したところだが、そうした素人くさい力みかたが返って好ましい。
なにせ、1999年刊、Win95を巡るオヤジ対オタクが語られるのである。ピッチと携帯以前のポケットベルにダイヤル式の黒電話が語られるのである。しかし、その視点はちっとも古びていないどころか、おもしろいのである。にやりとするのである。パソコン誌に連載されたエッセイをまとめたのかと思ったが、意外なことに書き下ろしなのである。しかし、気負いや踏ん張りはため息ほどもないのである。軽く書き流した風なのである。たいした作家である。マックライフ元編集長の解説が正しいのである。ビル・ゲイツやスティーブン・ジョブズが「落ちこぼれ」だったのは有名だが、それに呼応して次々に創刊されたパソコン誌の編集者やライターも「落ちこぼれ」が集まったというのである。そのなかで、小田島隆は「締め切り破り」として、有名だったというのである。仕事の納期を守らないとは言語道断。二度と仕事が来ないのが普通なのに、小田島隆は今も生き残っているのである。その理由を述べながら、パソコンの隆盛と共に業界に居ついた小田島と自らの自分史もからめているのである。付録ではなく独立した読み物になっているのである。エッセイもその解説も、一見、軽くみえるが、この肩の力が抜けるというのが、大変な力技でもあるのだ。
信長と十字架(立花京子 集英社新書)
-「天下布武」の真実を追う
数年前に話題となった新刊が文庫化された本書は、乱世の英雄・信長の通説を覆す、キリシタンバテレンとの密接な関係を提示する斬新な視点というだけでなく、カルチャーセンターからアカデミシャンになったという破天荒な立場から書いているだけに、気負いも踏ん張りも余るほどある。まだ、半読したところだが、そうした素人くさい力みかたが返って好ましい。