コタツ評論

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東のトランプ降板か?

2017-02-28 12:13:00 | 政治
安倍晋三記念小学院「事件」を隠すためのような金正男暗殺「報道」の垂れ流しが続いてきた。実質200万円で小学校を造った森友学園たの籠池理事長の言動のわかりやすさゆえか、ようやくマスコミが本腰を入れ始めた。

俺が学園のPR担当なら、即刻入院させるなどして、絶対に表に出さない、出せない理事長だ。突っ込みどころが多すぎる弁明もさることながら、その顔つきと話しかたがどうしようもない。本人は自信満々なのだろうが、せっせと墓穴を掘っているに過ぎない。

教育勅語は名文にして素晴らしい内容なのだが、いつもこの手の輩によって利用され汚されて今日に至っている。軍歌も戦意高揚の道具とは切り捨てられない、兵隊の哀歓が込められた名曲・名歌詞が多いのも知る人ぞ知る。

さて、「一強」安倍晋三が詰むかもしれない。東のトランプと題したが、トランプこそアメリカの安倍晋三ではないか。トランプの言動や政策は安倍晋三を真似たと考えれば、利発な娘イヴァンカまでが「安倍晋三の言うとおりに」と助言したのにも頷ける。

政権発足後、大統領選挙の論功行賞以上の人事ができないほど、トランプ周辺の人材不足が露呈している。ましてやたぶんトランプ本人も当選するとは半信半疑だったはずの選挙中から大統領就任前まで、家族やわずかな友人だけが相談相手だったことはじゅうぶんに考えうる。

さて、この安倍晋三記念小学院「事件」、状況証拠は真っ黒いが、政治家やその周辺が関与したという証拠はいまのところ出ていない。安倍晋三もしくはその周辺は無関係ということもあり得る。しかし、その方がより重大な問題といえる。

つまり、権力者へ阿るために「忖度」や「配慮」が駆動したからこそ、いくつものチェック&バランスを免れたことになるからだ。オーウェルが『1984年』で描いたビックブラザーを日本は必要としない。

いつでもどこでも、立てた親指をちょっと上げるだけ、それで通じるものだ。朝鮮日報が自国を卑下する常套句を拝借すれば、だから、いつでもどこでも、日本には「答えがない」のである。

(敬称略)


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やよ励め

2017-02-26 10:29:00 | ノンジャンル
短いが、好インタビュー記事です。ワセダクロニクルというミニコミのスクープに触発されたがゆえに、聴き手と話し手が初(うぶ)な心に戻っています。

「君の記事でそれなりの物は頂いた」上司の言葉に記者クラブで泣いた。斎藤貴男氏が語る
http://www.huffingtonpost.jp/2017/02/19/takao-saito_n_14855526.html

「ここは何も言うな」といった部長。
「隅っこの方で泣いてた」僕。
「うっとうしいんだ」と顔をしかめた先輩。

言うまでもありませんが、「僕」は激励されています。ありのままの現実をありきたりの言葉を使いながら、しかし真情を込めて語る部長や先輩です。たしかオーウェルが「記者とは文学のべつの穴を掘る者」といいましたが、ありのままに人間を社会を描こうとする志は文学と同じです。

その志があるなら、「ゲラを見せて企業から金をふんだくれ」と言い放ち、「新聞雑誌やTV局が広告取っているのと同じ」と断じて、後輩を励ました先輩もいました。励ましついでに。

(敬称略)
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そういう歌ばかり

2017-02-22 23:29:00 | 音楽
こういうジャンルがあるのは日本の歌謡界だけかもしれません。歌詞が理屈に堕ちないところがいいですね。当たり前ですが。

やさしいキスをして
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やさしいキスをして    DREAMS COME TRUE 投稿者 showakayo

ユーミン曰く、「イナカの美容師」。横の男が店長に見えてきます。
「いるね」が効いています。

久保田利伸 『Missing』


小林明子の「恋に落ちて」と好一対。久保田利伸としては不本意だろうな。

柴田淳 - 片想い Jun Shibata - Unrequited Love


最近、知りました。顔歌一致してます。

涙のシークレットラブ by 宇崎 竜童


ときどき、宇崎竜童以外で聴きたくなる名作です。

(敬称略)
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おまわりと坊主と先公には近づくなかれ

2017-02-16 21:19:00 | ノンジャンル
剣道ほど素人と有段者の差が大きい武術はない。川崎市少年剣道大会3位(5人出場だが)だった私は断言できる。有段者なら素人が3人がかりでも竹刀を身体のどこにも触れさせずあしらえる。にもかかわらず、未経験の小柄な女性相手に防具と道着の隙間の素肌を執拗に打ち据えるとは!それを「試合の上」とは!

警視庁捜査1課長が竹刀で23歳美人記者をボコボコ
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20170215-00001426-bunshun-soci

映画やTVや小説に登場する刑事は義憤を胸に捜査にまい進するが、捜査畑の頂点といえる捜査一課長にして実際はこれほど度し難い。また、捜査情報を漏らしてもらうために、アメリカでいう「ケツを舐める」ような真似さえ厭わぬのがマスコミ記者。たまたま女性記者だったから黙っていなかったのだろう。加虐趣味の課長のご機嫌取りに周囲が人身御供で差し出したようなもの。

私の大先輩には4人娘がいた。娘たちが成長するに従い、「警官と坊主と先生、医者とは結婚してはならぬ」とつねづね言っていた。とくに変人でも偏屈でもなく、事業家としてかなりの成功さめ、衆望もある人だった。現在なら、結婚相手としては申し分なさそうな公務員や専門職だが、かつてはこうした考えもそう珍しくなかったのである。娘たちはいずれも父の教えを守った。


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韓国映画の話題作続々

2017-02-15 21:58:00 | レンタルDVD映画
金正男暗殺のニュースを聞いて、半島も日本の植民地だった抑圧の記憶が暴力指向につながっているのではないかと思った。以前に、アメリカの植民地といえる中南米の国々に顕著なマチズモを研究した本を読んだことがある。独裁的軍事政権、クーデター、反政府ゲリラ、ギャングなどの暴行、暗殺、拉致、拷問、あらゆる暴力が渦巻いてきた。

もちろん、こうした中南米諸国と韓国はまるで異なる。日本と比べられるくらい韓国は治安のよい国だ。にもかかわらず、韓国映画の暴力性は際立っている。韓国映画といえば甘い甘い恋愛映画か、殺伐とした犯罪映画の両極端に特徴づけられるが、瞠目すべき作品は後者に圧倒的に多い。凄惨きわまる暴力場面や極悪非道な人間悪を容赦なく描く点では、たぶん世界の映画界でも突出しているはず。

韓国の代表的な映画賞である青龍賞の男優助演賞とファンが選ぶ人気スター賞を國村隼が獲得した「哭声コクソン」を皮切りに、「アシュラ」、「お嬢さん」など、韓国の猟奇・犯罪・暴力映画の話題作が今春続々公開される。

すれっからしの映画ファンでも未見ならびっくりするはず。こうした映画がヒットして次々に製作できることにはただ驚かされる。文化人類学のアプローチが必要だとすら思えるほど、ガラパゴス的な到達ではないかと思う。どの国の映画にも似ていない作品群を韓国映画界は再生産し続けている。



もし時間があるなら、「世界のクロサワ」と称されているらしい黒沢清監督の近作「クリーピー 偽りの隣人」と観比べてほしい。暴力と恐怖を扱って韓国映画が独壇場であることがわかるはず。

(敬称略)



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