コタツ評論

あなたが観ない映画 あなたが読まない本 あなたが聴かない音楽 あなたの知らないダイアローグ

今夜はプロフェッショナル

2016-01-18 22:33:00 | ノンジャンル
今夜はプロとは何かを考えさせられました。

サラリーマン社長でさえ、なかなか辞めたがらず、後任に子飼いをあてて院政を敷きたがるのは東芝の例をみるまでもありません。創業社長ならなおさらだろうし、そのうえ誰よりも視聴者の心をつかみ売れる実績がありながら、67歳という若さで退任するとは。

ジャパネット高田明氏が最後のテレショップ出演
http://www.nikkansports.com/general/news/1592667.html

職人の世界では掃除ができて一人前といわれるが、その清掃にも職人と呼ばれるほどの達人がいます。わずか7分で一車両の清掃を済ませる新幹線清掃隊テッセイは有名ですが、この人の専門はあのだだっぴろい空港の清掃だそうです。

NHKの凄腕ディレクターが「一目ぼれ」した凄腕清掃員とは
http://zasshi.news.yahoo.co.jp/article?a=20160117-00000001-sasahi-peo

「心を込(こ)める、ということです。心とは、自分の優しい気持ちですね。清掃をするものや、それを使う人を思いやる気持ちです。心を込めないと本当の意味で、きれいにできないんですね。そのものや使う人のためにどこまでできるかを、常に考えて清掃しています。心をこめればいろんなことも思いつくし、自分の気持ちのやすらぎができると、人にも幸せを与えられると思うのね」

「ダンサー・イン・ザ・ダーク」でカンヌ映画祭の主演女優賞を得たほど女優としても名高いアイスランドの歌手ビョーク。彼女の上海市コンサートのライブ動画です。曲名は、「Declare Independence(独立宣言)」。歌いはじめに、「チベット!チベット!」を連呼しています。

Declare Independence -Live@Shanghai Changning Arena on March 2, 2008 : Bjork


もちろん、「Declare Independence(独立宣言)」は中国当局の許可を得ていない楽曲でした。当然、以後、ビョークは中国には入国できません。

Declare independence!

Don't let them do that to you!
Declare independence!
Don't let them do that to you!

Declare independence!
Don't let them do that to you!
Declare independence!
Don't let them do that to you!

Start your own currency!
Make your own stamp
Protect your language

Declare independence
Don't let them do that to you
Declare independence
Don't let them do that to you

[x4] Make your own flag!

[x6] Raise your flag!

Declare independence!
Don't let them do that to you!
Declare independence!
Don't let them do that to you!

歌詞の和訳はこちら
(敬称略)
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今夜は加藤巳代吉について

2016-01-11 00:24:00 | 政治
日本側は「蒸し返すな」、韓国側は「前言を翻すな」、「そうビシッと言ってやったよ」と、自国民には説明しているのね。だからね、坊や。鉄棒の「逆上がり」ができないって話じゃないの。練習すればできるようになるよ、逆上がりくらい。なんだってえ、「お前は在日か」って、なに逆上してんだよ、おっさん。

<韓日慰安婦交渉妥結>「不可逆的」めぐり韓日間で解釈の違い
http://japanese.joins.com/article/176/210176.html?servcode=A00&sectcode=A10&cloc=jp|main|top_news

お前は在日かって逆上しそうな友人知人がいたという話をするおっさん。不惑を迎えるというこのおっさんの小説にはあまり感心しなかったが、これはよくまとまったエッセイだね。おっさんの個人的経験は別にして、たぶん、天皇陛下も同意同感されるだろう。つまり、このおっさんは保守派であり、おっさんが期待する中道左派というのが日本の保守なのね、そこよろ

(選べない国で)不惑を前に僕たちは 寄稿、作家・中村文則
http://digital.asahi.com/articles/DA3S12148912.html?_requesturl=articles%2FDA3S12148912.html&rm=150

最後に民主党について触れているが、民主党並びに民主党議員が自民党並びに自民党議員に比べて、決定的に信頼できない点、あるいは劣っていると換言してもよいところは、選挙に勝とうと思っていないことだ。理念や政策に先んじて、自党の躍進や自らの再選を考えていない。選挙という「洗礼」を受ければ、何をしても何をしなくてもかまわないというほどの選挙への信奉が自民党にはるかに及ばない。「政策や理念によって選挙民から選ばれる」というのと「なにがなんでも選挙にうかる!」では、どちらがより民主的か、だれあか

保守とは態度や姿勢を指すもので、イデオロギーとは相容れぬのはもちろん、綱領もあり得ない不可視なものである(@加藤巳代吉)


古式にのっとって土下座・平伏する加藤巳代吉先生

(敬称略)
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夢で逢えたら

2016-01-10 00:21:00 | 音楽
聴いている分にはそうでもないが、意外に歌いにくい難曲ではないかと。結婚式の余興に採用するのはやめといたほうが無難。つまり、この歌い手たちは意外に歌が巧いということです。

薬師丸ひろ子


DEEN feat.原田知世


石川ひとみ


松たか子


村上ゆき


(敬称略)
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映画バードマン

2016-01-03 14:08:00 | レンタルDVD映画


バードマン」の主人公リーガンは、酷評されれば公演が打ち切りになるほどの影響力を持つ劇評家のタビサに、「俺はこの芝居に命を懸けている。ひきかえ、あんたはリスクを負わない!」と食ってかかる。

発音もタイプするのもめんどうな、イニャリトゥという名前の映画監督と相性がよくないことは、以前に「バベル」で述べている。今回、読み返してみて、「何もそこまで」というほど貶していた。本人が読む恐れがなければ言いたい放題、匿名と言語の壁にあぐらをかいているように思えていささか反省した。

柄にもなく反省したのは、もちろん、「バードマン」が傑作だったからだ。リーガンの後ろに控えながら、ときに傍らを歩き、あるいは追い抜いて振り返り、ぶれずになめらかに移動する一人称のカメラワークはほとんど心地よいほどだ。高名な純文学作家レイモンド・カーヴァー原作のやおい短編小説の舞台化にすったもんだする製作側の内幕をわかりやすく構成した脚本も特筆ものだ。

そう、わかりやすい映画なのだ。なのに、内面の葛藤と幻想がからむ、高尚めかした芸術映画なのか、という不安を観客に抱かせる売り方には問題がある。 まず、『バードマン 無知がもたらす予期せぬ奇跡』なる文芸めいた副題はよけいだろう。派手なビジュアルで訴求したかったのはわかるにしろ、ヒーロー映画「バードマン」のCG場面を使った予告編も、あらすじを読めばすぐに「夢落ち」とわかるので、観る前に興ざめする。観たときには何の意外性もなくてがっかりした。

ちっとも難しくはなく、内面を扱った辛気くさい映画でもない。主人公リーガンは、劇評家のタビサに、「あんたの文章は批評なんかじゃない。ただ、次々にラベルを貼っているだけだ」と罵るが、芸術や芸術家、映画スターやセレブというラベルの周辺で右往左往する人間を描いた「ブラックコメディ」なのだ。コメディ劇として笑えるところはひとつもなかったが。

リーガン・トムソンにはじゅうぶん感情移入できた。かつては「バードマン」なるヒーロー映画でハリウッドの大スター、いまは落ち目の初老の俳優がブロードウェイに「無謀な挑戦」をするストーリーは、私たち観客の日常生活とはほとんど無縁にもかかわらず、没入できた。なぜだろうか?

もちろん、映画づくりが巧みだからだが、ヒーロー映画の「無謀な挑戦」という道具立てとヒーローならざる「覆面の中の人」については、観客にもおなじみなことだからだ。荒唐無稽な筋立てや道具立て、その演出や演技、俳優のゴシップ情報などを込みで批評的に楽しむことをヒーロー映画は暗黙のルールとしている。そうした観客の批評性を拡大・拡散したのが、「バードマン」でも言及されているネットなのだ。

一見、演劇界を風刺した内幕ものにみえるが、正味は、ヒーロー映画における「覆面の中の人」の内幕を描いたものだ。落ち目の映画スターが再起しようとあがく内面を扱った人間ドラマにみえて、じつは内面の虚実を描こうとしている。「バードマン」はリーガンのもうひとつの自我なのだが、それだけにとどまらない。

リーガンにとって、まとわりつく「バードマン」は映画の夢そのものなのである。鳥のように空を飛ぶことは演劇には難しいが映画ならたやすくできる。暗くて狭い劇場の楽屋や舞台、猥雑なブロードウェイの街角から、バードマンのように青空へ飛翔する夢想は、リーガンの映画への憧憬そのものだ。

つまり、60歳を過ぎた舞台デビューという「無謀な挑戦」をヒーロー映画の「バードマン」に重ねているが、ヒーローならざるリーガンの自己顕示欲から出たものに過ぎない。それをドラック中毒のリハビリ中の情緒不安定な娘サムや共演する名優のマイク(エドワード・ノートン)から喝破されて、リーガンは押し黙る。

「バードマン」に主題を見出すとすれば、演ずるということかもしれない。俳優にかぎらず、私たちも日常的に何かを誰かを演じていて、演ずることを避けることはできない。「ありのまま」の自分ですら、露出するにはリーガンのように決意と勇気を必要とするではないか。

ただし、プロフェッショナルな演技者であり、演技することに追い詰められているリーガンは、「誰でも演じている」とのんきに構えているわけにはいかない。混乱する一方の現実に対し、虚構はどんどん勢いづいている。すべてを幻覚や幻聴だと抗い、正気を保とうとするリーガンは、ついに実弾入りの拳銃を舞台に持ち込む。リーガンにとって、「命がけ」が現実への足掛かりになっているのだ。

事故で怪我をして降板する準主役と、ブロードウェイの街角でひとり何かのセリフを怒鳴っている売れない俳優の口から、同じ言葉がリーガンに発せられる。「やりすぎてちょっと大仰だったかな? 演技の幅を見せたくて」と。リーガンは前者の準主役に対して、(このクソが!)と心中に罵り、後者は不快げに無視して立ち去る。命に長短はあれど幅はない。できることよりできないことが大切なのだ、そうリーガンがわかりはじめている場面だろう。

素人目には、二人ともそう下手な演技にはみえず、リーガンが圧倒されるほどマイクの演技が凄いとも思えないのだが、繰り返される舞台の同じ場面から、リーガンの演技が変わっていくことはわかる。それは「演技の幅」やバリエーションなどではなく、切羽つまったあげくに、ほとんど藁をつかむように演じられたものだ。にもかかわらず、観客にはウケ、酷評されるはずの舞台は予想外の好評を博す。だが、そこにリーガンはいない。

これでめでたしで終わるかと思うとけっこう引っ張るのだが、最後の場面は特殊メイクではなく、マイケル・キートンとは別人ではないかと思った。いずれにしろ、そこにいるのは顔が売れていない、ただの初老の男に過ぎない。成功も失敗もなく、そして人生は続いていく、というわけだ。上映時間2時間。少しも飽きずに、リーガン・トムソンの人生の一場面につきあうことができた。イニャリトゥ監督、見損なっていてすまなかった。

さて、映画ファンなら、頻出する有名映画スターの名前やその寸評から、映画業界や同じ俳優仲間から、彼や彼女がどう見られ、受け止められているかをうかがい知ることができて、なかなか楽しい。

たとえば、主人公リーガンが、「俺の才能の半分もないくせに、ブリキを着て人気を博している」と内面の声を聴く。これは「アイアンマン」のロバート・ダウニー・JR に間違いなく、リーガンの言葉とは裏腹に彼の驚くべき才能に対して、いかに業界人の敬意が払われているかを示すセリフだろう。速射砲のように喋りまくる小男のヒーローなんて、以前ならありえなかったのだから。

一方、ジョージ・クルーニーについては、「あの男らしい顎」とだけ。それだけかと拍子抜けしたが、やがて、それだけかもと納得させて可笑しかった。メグ・ライアンについては辛辣で、さぞかし彼女は怒っただろうが、たしかに、スター意識の強そうなジョージ・クルーニーやメグ・ライアンは演技重視のイニャリトゥ映画は似合わず、出演しそうもない。この「バードマン」でも、登場人物とその俳優のキャリアが重ねられていることがわかる。

イニャリトゥ映画は、「バベル」で指摘したように現場のドキュメンタリズムを欠いているのではなく、俳優のキャリアというドキュメンタリ性はすでに組み込まれているのだ。ナオミ・ワッツは「マルホランド・ドライブ」の売れない女優を再演しているし、マイケル・キーンはリーガン・トムソンとたぶん同じく、1989年の「バットマン」の主演してから25年、再起を図る落ち目のスター俳優「だった」。

映画の配役そのままに、代表作ができたマイケル・キーンとさらに輝かしいキャリアを積み上げたエドワード・ノートンにおめでとうをいいたい。イニャリトゥ映画の次の主演は、ロバート・ダウニー・JR かもしれない。

(敬称略)






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今夜はスウィング

2016-01-02 23:38:00 | 音楽
全員、古着屋の店員みたいですが、「モダーンスウィング(modern swing band)」 と呼ばれるバンドです。スウィングジャズは白人のためのダンス音楽から発展したせいか、みな屈託なく演奏しています。

まずはおなじみの「バイミービスタシェン」から。

BEI MIR BIS DU SCHOEN": CHLOE FEORANZO, BOB DRAGA, MARK SHANE, and FRIENDS


やはり、「バイミービスタシェン」特集で紹介した ”熱々のイワシ”がスウィング時代の名曲をカバーしています。

The Hot Sardines "What a Little Moonlight Can Do" Joe's Pub, NYC


「バイミービスタシェン」の Kevin & Carla のダンスはかっこよかったですね。このカップルもスウィングダンスの名手のようです。残念ながら、曲名はわかりません。

PSF 2009 Sharon & Juan Lindy Hop Performance


ダフト・パンクは有名な人らしいですね。

Daft Punk - Get Lucky (ft Pharrell) - Swing/ Vintage Cover by Flash Mob Jazz


音楽映画の佳作でした。上野樹里がテナーサックス、貫地谷しほりがトランペットをじっさいに吹いています。

Swing Girls (スウィングガールズ)


(敬称略)
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